ISN:0-9678586-1-5
価格:150THB
地図総点数:1点(表裏で分割)
地図内容:チェンマイ市広域
タイ語表記:なし
書店でこの地図を初めて見かけて中身を開いた時、正直ぶったまげてしまった。
75cm*52cmの大判サイズのペラ紙にたった1枚のマップが裏表に分割されて印刷されているだけなのだが、その内容がとにかくすごい。
といってもそのすごさは伝わらないと思うので、ぜひ最下部のリンク先を見てほしい……。
北はメージョー大学~フワイトゥンタオ貯水池、南は第3環状道路(国道121号線)、西はチェンマイ大学奥のドーイステープ中腹、東も第3環状道路~サーンサーイの街の奥までを掲載しているのだが、ものすごく細かなソイ(路地)までがほぼ完璧にカバーされ、道路名はもちろんソイのナンバーも付記されているほかムーバーン(分譲住宅街)には名前が付され内部の細かな路地までが記載されているなど「いったい誰がここまでの情報を必要とするのだろうか?」と思ってしまうくらいの詳細さだ。
さらに、地図にはホテルやゲストハウス、みやげもの店、レストランはもちろんのこと、ワット(寺院)や学校、自動車ディーラーや一般商店などおよそ目に付くものはすべてプロットしたのではないかと思えるくらい膨大な量のスポットが記されていて、あまりに詳細すぎてルーペがないと読めないほどだ。
タイトルなどどこにもそれらしいことは書かれていないが、おそらくこの地図はサイクリスト、もしくはバイクを持つ人向けに作られたものなのではないだろうか。
というのは、サイクリング向けの道路には自転車の絵がつけられ、「nice cycling but no shade(よいサイクリング道路だが日陰がない)」、「serene bicycling(穏やかな自転車道)」というようなコメントが添えられているだけでなく、市内に山のようにあるバイク修理店(自動車修理工場とは分けられている)までがプロットされているからだ。
自分もチェンマイ市内や郊外をあてもなくバイクで走ることが好きなので、これまで普通の旅行者がまず行かないようなところにまでかなり入り込んでドライブしてきたつもりだったのだが、この地図を見て「ああ、まだまだ知らない道やエリアがたくさんあるんだなあ……」ということを改めて実感させられた。
おそらくこの地図を作った人は、チェンマイを徹底的に自転車かバイクで走ったのだろう。
そうでなければ、これだけ詳細な情報を盛り込めないと思う。
作者のその情熱と執念にも似た思いに敬意を表したい。
2006年1月に初版が出た時には、片面にスーパーハイウェイの内側、もう片面には北はメージョーから南は第3環状道路、東もサーンサーイの街の奥までをカバーした広域地図が載っていたのだが、おそらく変化の激しいチェンマイの街をフォローしきれないのだろう、2014年6月の改訂版では大きさが半分に、掲載範囲も狭くなってしまったのが残念。
それでも、普通の人には十分すぎる内容だろう。
あまりに膨大で詳細な情報が載せられているため、初チェンマイの人やあまりチェンマイに詳しくない旅行者にはかえって使いにくいかもしれない。
そういった旅行者には同じシリーズで、お堀の内部からピン川右岸までにフォーカスした「Central Chiang Mai」があるのでそちらをおすすめしたいが、チェンマイを頻繁に訪れるリピーターや自分のような在住者にとっては必携の地図だ。
150THBという価格は、超お買い得だと思う。
なお、発行元ではほかに同シリーズでチェンコーンやノーンカーイ、ラオスのルアンプラバーンなどの超詳細地図も発売している。
この「Chiang Mai Big Map」をはじめ、それらの地図の一部は、下記リンク先で確認することができるほか、最新版のPDFファイルを有料でダウンロードできる。
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