自分がしばしば主食のカーオヌン(もち米=カーオニヨウ)を買いに行く店のご主人の女性は、チェンマイの西隣の県メーホンソーン出身のタイヤイ(シャン族)だ。
以前一緒に住んでいた友人一家の奥さんが同じタイヤイ(シャン族)で仲がよかったこともあり、自分が行くと食事をごちそうしてくれたり、逆に自分が日本に一時帰国した時にはお菓子などのお土産を買って来てプレゼントしたりして、ずっと親しくさせてもらっている。
ある日、いつものようにカーオヌン(もち米=カーオニヨウ)を買いに行くと、店の前に七輪を持ち出して何やら焼いている。
タイヤイ(シャン族)の餅だ。
「カーオクックガー」という名前で、以前友人の奥さんが作るのを見せてもらったことがあるほか、タイヤイ(シャン族)が多く住むメーサーイ(チェンラーイ県にあるタイ最北部のミャンマー国境の街)に行った時にも必ずと言っていいほど食べている。
黒ごま(タイ語でガー(ごま)ダム(黒い)=งาดำ)が入っているので黒い色をしているが、食感などはまさに餅そのものだ。
自分にとってはかなりの好物でものほしそうな顔をしていたのか、奥さんが「もう少しで焼けるから、食べていきなさい」と声をかけてくれた。
焼きあがったカーオクックガー。
陶器やプラスチックの皿ではなく、バナナの葉に乗せてくれるところがまたよい(皿だと、蒸気が抜けないので接した部分が水分でベチャッとなってしまう)。
基本的に砂糖をつけて食べるのだが、この家では黒砂糖を柔らいペースト状にしたものが用意されていた。
見た目は少し固そうに見えたが、少しちぎって食べようとしたらビヨーンと伸びた。
日本の餅よりも、はるかに柔らかい。
ちょうどお腹が空いていることもあって立て続けに2枚食べてしまったら、「もう今夜は何も食べなくていいかな」という気分になってしまった。
カーオヌン(もち米=カーオニヨウ)を買いに来たのだが、結局何も買わずにお礼を言って家に戻ったのだった。
おばさんにおわびを言うと、「いいのよ、そんなことは気にしなくて」と言ってくれた。
また日本に一時帰国した時には、何かおいしいお菓子でも買ってくるね(^^)
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