プレーの街には、この先紹介して行く予定のとても魅力的な見どころがいくつもあるのだが、観光地としてはまったくメジャーではなくチェンマイのように観光客を主なターゲットにしているようなレストランはない。
あいにくとこの日は天気もあまりよくなく、小雨が時おりぱらついていたのでホテルの近くでサッと夕食を済ませようかと思っていたのだが、フロントにいたスタッフにどこかいいところはないかたずねてみると「う~ん」と首をかしげてしまった。
絞りだすようにして教えてくれたのは、車で行かなければならないような場所の店である。
ちなみに、泊まったホテルはこちら。
チェンマイも含めタイではたいていそうなのだが、現地の人たちから評価が高いレストランは街の中心部にはなく、自前の足を持たない旅行者にとってはアクセスしにくいロケーションにあることが多い。
日本以上の車社会であるタイの一面だ。
チェンマイからプレーまでロングドライブしてきて、もう今日はこれ以上ハンドルを握りたくないので、さてどうしようかとカミさんと話をしていたら「歩いて10分くらいのところにナイト・マーケットが出て、そこでも色々食べられますよ」とスタッフが教えてくれた。
幸い雨も本降りになるような気配はなく、プレーに着いてからまだ街の中を歩いていないので今日の夕食はそこに行ってみることにした。
ホテルから街の中心部に向かって歩くこと15分ほど、旧市街を囲む城壁に建つ勝利門(チェンマイで言えばターペー門みたいなもの?)へと向かう。
門のすぐ近くの小さな交差点を中心にして夜市が立っているようだ。
ナイト・マーケットといっても長さは50メートルあるかないかという程度で、出ている露店といえばちょっとしたお菓子や子供向けのおもちゃのようなものなどが中心だ。
郊外にはビッグC(スーパーマーケット)もあるようなのだが、地元の人にとってはこれも大きな娯楽のひとつなのだろう。
あいにくの天気で人が少なく、決してにぎわっているとは言えなかったが……
さて、少し店を冷かして歩いた後で本題の食事をどうしようかと見てみると、交差点のすぐ脇のスペースにテーブルとイスが並んだ一角があった。
野菜などの食材を店先に並べた小さな屋台もあり、どうやら食事ができるようだ。
店は4~5軒しかなく、比較的多くの食材を並べている店を選んでそのそばのイスに座った。
もちろんちゃんとしたメニューなどというものはなく、壁に料理名が張り出されていた。
経験上、こういう店ではよく注文が入るようなシンプルな料理をオーダーするのが一番間違いがない。
で、こんな取り合わせにしてみた。
トムヤムプラー(魚のトムヤムスープ)
トムヤムにはココナツミルクなどの入った濁ったスープのナムコン(น้ำข้น)と、写真のようなクリアスープのナムサイ(น้ําใส)があり店によっては注文すると「どっちにするか?」と聞かれることもあるのだが、ここでは何もたずねられなかった。
個人的にはスッキリとした酸味と辛さが味わえるナムサイのほうが好きなので、ちょうどよかった。
もう一品はパク・パックブン(空芯菜炒め)
空芯菜炒めというと「炎の唐辛子炒め」という意味のパク・パックブン・ファイデーンが有名だが、こちらはニンニクと豆鼓だけで炒めたもので辛味はまったく感じられなかった。
タイが「すごいな~」といつも思うのは、こういう田舎町の調理設備も十分とは言えない屋台のような店で食事をしても、十分満足できるものが出て来ることだ。
帰り際に、ナイトマーケットの中のお菓子屋でスイーツを買った。
ホテルに戻って、備え付けのマシンでコーヒーを淹れデザートがわりとした。
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