奇岩が並ぶ国立森林公園「ペ・ムアン・ピー」
今回のプレーの旅の最後の観光は、市内から20kmほど離れた場所にある「ペ・ムアン・ピー」という名前の国立森林公園だ。
国立森林公園といっても、チェンマイ周辺にあるようなうっそうとしたジャングルでなくどうやら奇岩の景観で有名らしいのだが。
「ペ・ムアン・ピー」とは、直訳すると「お化け(ピー=ผี)の国(ムアン=เมือง)のヤギ(ペ=แพะ)」という意味だと思うのだが、いったい何を意味するのだろうか???
辞書によっては、ぺ(แพะ)には「いけにえ、犠牲」というような意味もあると書いてあるので、もしかしたら「お化けの国のいけにえ」かもしれない。
こっちのほうが、ニュアンスとしては伝わってくるけどね。
とにもかくにも行ってみないことには始まらないので、車を運転して出かけてみることにする。
プレーから国道101号線をナーン方面に向かうと、ペムアンピーと書かれた道路標識がたくさん出て来るのでまったく迷うようなことはない。
看板にしたがって国道101号線から1134号線に入っても、片側2車線のよい道が続いておりとても事前にガイドブックで見たような風景の場所があるとは思えない。
しばらく進んで案内看板の指示通りに道を右折すると周囲は人気のない雑木林に変わるが、路面状態は整備したばかりなのか相変わらずすばらしく、チェンマイ市内よりもよいくらいだ。
いったい、これだけ道路を整備するだけの価値のある場所なのだろうか???
途中には、奇岩の写真が載っている大きな立て看板が道路脇にあったりして、観光地になっていることは間違いなのだろうが、平日ということもあってまったくほかの車とすれ違うこともない。
雑木林の中を10分ほど進むと、目的地のペ・ムアン・ピーに到着だ。
駐車場の周りには食堂や売店が7~8軒あるのだが、見回してみても営業している店は1軒もない。
行ったのは昼を過ぎているとはいえそんなに遅い時間帯でもないのだが、営業していた気配すらないので、おそらく平日は訪れる人もいないのだろう。
国立公園なので普通は入場料も徴収されると思うし、一応入口にはゲートのようなものもあったのだが、この日は係員もまったく見えずそのままお金を払うことなく中に入ってしまった。
森林の中に突然奇岩群が姿を現す
しばらくは、やはり森の中を進んで行く。
あらかじめガイドブックで見た写真ではすごく荒涼とした場所、という印象を受けていたので、「いったいどこにそんな風景があるのだろうか?」と少々いぶかりながら先に進んで行く。
10分ほど進んだであろうか、突然左手の景色が開けたのだった。
看板に「ペ・ムアン・ピー国立森林公園」と書いてある。
自分は勝手に荒涼とした風景がどこまでも続くのだと思い込んでいたのだが、どうやら雑木林の中のほんの一部のエリアを切り取った写真が、ガイドブックなどには使われているようだ。
看板の脇から中に入れるよう道がついているので、それに沿って進む。
確かに、おもしろい奇岩の風景が続いている。
専門家ではないので正確なことはわからないが、雑木林の中でもこの付近だけが非常にもろい砂のような地層と固い地層が入り混じっていて、雨が降ることで前者の地層だけは浸食がどんどん進んで行って、固い地層の部分だけがキノコや塔のように残ったのではないだろうか。
それを示すかのように、一部の岩の塔のようなものには雨が流れた跡のようなギザギザ模様がついていたのだった。
カミさんとふたりで「あそこは形がおもしろいね~」とか、「***みたいに見えるね~」などと話しながら進んで行くと、いつの間にかペ・ムアン・ピーを見下ろせる場所に立っていた。
上から見ると北タイのジャングルが広がる
上から見ると、また違った印象を受ける。
おそらく簡単に崩れてしまうのだろう、至るところに柵ができていて「先に進むな!」とか「がけに近づくな!」とかの注意書きが立てられている。
ふと視線を上にあげて周囲を見ると、何の変哲もない北タイの雑木林が続いていた。
アクセスが悪く、わざわざ来る価値があるか……
このペ・ムアン・ピー、タイ語だと国立森林公園(วนอุทยาน)となっているのだが、いわゆる一般的な国立公園(อุทยานแห่งชาติ)と、どのように区別されているのだろうか?
この奇岩群だけ取って見れば、「森林」ではないのだが。
本当に「何でここだけが?」と思うような不思議な風景が見れるのがこのペ・ムアン・ピーだが、自分のように自前の足があって容易にアクセスできるならともかく、わざわざお金を払って車などをチャーター(バスなどの公共交通機関はない)してまで来る価値があるかどうかは正直ちょっと疑問かもしれない。
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