チェンマイ(タイ)の住宅の敷地の中には、断水時の水確保と蛇口から水を出した時の圧を上げて勢いを保つのが目的なのだろうか、たいてい大きなタンクとポンプがセットで設置されている。
我が家にもそれがあり、家の中で水を使うとポンプが音を立てて一緒に動くというのが常であった。
ところが、このところ水を出していないにもかかわらず、20~30分に1回ほんの数秒であるがポンプが動くようになった。
ということはポンプの故障か、さもなければ家の中のどこかから水が漏れているということで、特に怪しげな庭に2カ所ついている水道の蛇口をはじめ家の中の水の出る場所を総チェックしたのだが、水が出ているところは見つからなかった。
そして、それからさらに10日ほどが過ぎ、相変わらずポンプが時おり動く状態が続いていたのだが、とある日の朝にトイレに入ったら異変に気づいた。
水道の蛇口の下の壁が変色しているのだ
「あ~、ここから水が漏れていたのね」と思いふと床を見てみると、壁づたいだけではなく蛇口の真下周辺も結構ぬれている。
壁とのつなぎ目だけから水が漏れているなら、そんな場所がぬれることはないのに……とよく確認するために眼鏡をかけてじっと目をこらして見てみると、何と蛇口の曲がった部分から細かい霧状に水が噴き出している。
どうやら、すごく小さな穴が蛇口の途中に開いていて、そこから水が漏れているのだった。
東京の自宅でも、チェンマイに移り住む6~7年前だっただろうか突然家の中の水道管が水漏れしてしまい、業者を呼んだところ長年水が通っていたせいでパイプ(日本の家のは銅製だったらしい)の直角に曲がった部分がどんどん薄くなり、とうとう穴が開いて水が漏れたのが原因ということがあった。
チェンマイの自宅にはバスルームが2カ所あって、今回水漏れを起こしたのはサブのほうで普段はトイレ以外は使っておらず、水道の蛇口はそのバスルームの中を掃除する時にしか水を出さないので、経年劣化ということは考えにくいのだが、タイの場合はこういう蛇口の材質とかは決してよくはないので、割とすぐに壊れてしまうのかもしれない。
アパートやコンドミニアムといった集合住宅に住んでいるのであれば管理事務所に言って直してもらうのだろうが、自分のような一戸建て住宅の場合はこの程度のことなら大家さん(チェンマイ市内から1時間ほど離れた場所に住んでいる)を呼んだりするよりも、さっさと自分で直してしまったほうが早くて精神的なストレスも少なくて済む。
ということで、すぐに家の外にある水道の元栓を閉めてから新しい蛇口を買いに出かけた。
買いに行ったのは、この手のモノを調達する時は定番の市内南部にあるホームプロだ。
名前の通り、家に関するものを幅広く取り扱う、日本で言えばビバホームのようなホームセンターだ。
この店はいつ行っても欧米人のお客さんがいたりするので、簡単な英語を話す店員もいたりして買い物に困ることがない。
水道の蛇口がたくさん並んでいる売場に行って、そこにいた店員をつかまえて事情を話し、スマホで撮影しておいた蛇口の写真を見せてこれと同様のもの、と言うと何種類か見せてくれたので、適当な値段と質のものを選んだ。
今回買ったのはこんなやつ
蛇口は見ればわかるが、その右にあるものは何だかわかるだろうか?
これは、蛇口の根元のネジになった部分に巻くシールテープだ。
蛇口のネジと水道管のネジの部分は基本的にはピッタリ合うようなサイズで作られているが、これをきっちり巻いてからねじ込まないと、微小なすき間から水が漏れてきてしまうことがあるので、蛇口交換の際の必須の材料である。
日本だとこういうことは業者がやってしまうし、こちらでもそうそうめったに蛇口は壊れるないのでシールテープが必要なことなど自分はまったく知らなかったのだが、以前住んでいたサンティタムの家で水タンクが壊れてしまい近所の家周りの細々した仕事で生計を立てている人に直してもらった時に、彼がこれを使っているのを見て「へ~、こういうものがあるんだ」ということをたまたま知っていたのだ。
しかし、何と呼ぶか名前までは知らなかったので、ホームプロの店員に手振りで巻く動作をして「白いテープのようなもの」と言ったらすぐにわかってくれ、別の売り場から持って来てくれた。
その時に店員にタイ語の名前を聞いたのだが、もうすっかり忘れてしまった。
材料が揃ったので、作業開始!
まずは古い蛇口をはずして、周囲をきれいに掃除する
買って来た蛇口の根元にシールテープをグルグル巻きにする
そして、それを壁の水道管のところにねじ込んだ。
よし、これでOK!と元栓を開けたところ、壁から水がタラタラと漏れてきてしまった_| ̄|○
どうやら、シールテープの巻き方が足りないようだ。
しかたがないのでもう一度元栓を閉め、つけた蛇口をいったんはずして壁の穴と蛇口についた水をきれいにふき取ってから、今度は念入りに前回の倍くらいの厚さにシールテープを巻き直した。
そして、しっかりと壁に取り付ける
今度は、水が漏れてくることはなかった。
そして、それまで気になっていたポンプの時々の稼働もピタリと止まったのであった。
やっぱり、ここからの水漏れが原因だったのね。
ともあれ、半日ほどつぶれてしまったがなかなか普段はできないことが経験できて、これはこれでまた楽しい時間が過ごせたのだった。
前にも書いたことがあるけど、こういう不便さとかも楽しんじゃえ、くらいの気持ちがないと、チェンマイでの長期滞在(ロングステイ)生活は精神的に辛いものになっちゃうような気がするよ。
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