どんな寺院?
チェンマイから南に約40kmのところに位置する、ラムプーン県パーサーン郡にあるマハーニカイ(主流)派の仏教寺院。
ラムプーンからだと、南西に20kmほどになる。
チェンマイ盆地の中のほとんど観光客が訪れることのない村の中にあるが、チェンマイからドライブがてら田舎の雰囲気を思い切り味わいながらツーリスト・プレイスでない場所を訪れたい、というような人にはお勧めのスポットだ。
ロケーション
チェンマイからこの寺院に向かう場合、一番簡単なのは国道108号線をひたすら南下しトゥンシアオ(ウィアン・ターガーン遺跡群の入口の街)の街を通り過ぎて4kmほど行くと、チェンマイ市内西部の運河沿いを走るクローンチョンプラターン通りから続く国道3035号線との大きな信号つきの交差点に出るのでそれを左折する。
この道は国道116号線となりまっすぐ7kmほど進むと「→バーン(村)・ノーングアック」と書かれたタイ語の看板があるのでそのすぐ先の十字路を右折。やや狭い道をずっと進んでいくとそこがノーングアック村だ。
村の中は道路標識がとてもよく整備されており、寺院までの案内(タイ語のみ)も要所にあるので迷うようなことはない。
寺院の前はかなり開けた広場のようになっており、真向かいは小さなタラート(市場)になっている。まさにここが村の中心なのだろう。
なお、ラムプーンから来る場合は旧市街のお濠の南西角から始まる国道106号線を16kmほど進むと国道116号線との交差点に出るのでそれを右折して約3km進むと、上記の村の入口の十字路に行きあたる。
見どころは傷みの激しい壁画
寺院はかなりの敷地を有しているものの、パッと見た感じでは一般的なタイの寺院とそれほど大きな違いは見られない。
寺院内の説明書きによると、このワット・ノーングアックは、僧侶になることを熱望していた息子を持つジャイ氏という人物が、村には寺院がなかったため自らタイ暦1774年(西暦1231年)に建立されたとされている。
建立にあたっては、クルーバー・プララミーをプロジェクトのリーダーとし、寺院の名前をワット・ノーングアックとしたという。
本堂や布薩堂などはごく普通の寺院のそれとまったく変わりないものの、ここの一番の見どころは寺院の中に入って左手奥にある白い2階建ての建物だ。
「หอธัมม์=ホー(堂)・タム」と呼ばれるこの建物は1階に上部が丸くなった出入口、2階に四角い窓をそれぞれ5つ持つ立方体の形をしている。
ミャンマー(ビルマ)様式の装飾が施されており、外から眺めるだけでもなかなかの美しさだが、丸くなった出入口から中に入ると、壁には仏陀の生涯と輪廻転生が描かれている。
壁画はメインテナンスが行き届いておらず、残念ながら傷みがひどい。
絵の下部には元のきれいな(といってもそれもかなり見にくいが)絵の写真とタイ語の説明書きが貼られているが、もしこれがきれいな状態に保たれていたなら、かなりの見ごたえがあっただろう。
が、このところどころがはがれ落ちた状態もまた歴史を感じさせて風情があったなかなかいいものだと思う。
日本人とは感覚が違うのか、タイでは歴史を感じさせるような仏像や壁画などを平気で上から色を塗ってしまったりしてわびもさびもあったものではないが、ここの壁画はできることならいつまでもこの状態を保ってほしいものだ。
なお、2階にも収蔵品があるようなのだが、上がるためには柵を越えてはしごを使わなくてはならず、途中まで登ってのぞき見した感じではほとんど物置になっているような感じだったので、わざわざ見る必要もないだろう。
このエリアは綿織物でも有名だ
この寺院のあるパーサーン郡は昔から綿織物が有名で、寺院の向かいには洋服や布地を売るきれいな店があるほか、村の中には機織り場兼直売場のような家も何軒かある。
寺院の向かいの店以外は雰囲気はショップという感じではなく、おそらくメインはパーサーンの街、あるいはラムプーンやチェンマイへの卸売りなのだろうが、気になるところがあったらのぞいてみると楽しいと思う。
この寺院だけを訪れるために来るには少々アトラクションに乏しいが、ラムプーンあるいはウィアン・ターガーンと組み合わせるとよい。
ローカルの店と比べても大して高くありません
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