タイでは、チェンマイおよび北タイ料理(อาหารภาคเหนือ(アーハーンパークヌア=北部地方料理))の特徴を「マン(มัน)」という言葉で表現する。
マンとは、「脂っこい」という意味であるが、これはケープムーやナンガイのような揚げ物を主食のように食べているからなのか、ココナツミルクを使わない料理がほとんどで、油がはっきりと浮いて見えるようなものが多いからなのか、いくつか理由を考えてみたのだが、くわしいことはわからない。
チェンマイ(北タイ)料理は、どちらかというと、クルンテープ(バンコク)などの中部タイ料理よりもイサーン(東北タイ)の食べ物に近いと言えるだろう。
主食である米は、今日ではうるち米(カーオスエイ。チェンマイ語ではカーオチャーオ)も多く食べられているが、基本的にはもち米(カーオニヨウ。チェンマイ語ではカーオフン)だし、ガイヤーン(焼き鳥)やソムタム(青いパパイヤのサラダ)、ラープ(肉の和え物)も日常的に食べられているなど、共通点は多い。
また一方で、ビルマ(ミャンマー)料理の影響も受けており、その最たるものがカーオソーイ(カレーラーメン)だ。
チェンマイ名物として広く知られているカーオソーイは、ビルマがその起源であると言われている。
このコーナーでは、当地で自分が食べたチェンマイおよび北タイ料理を写真とともに紹介しているが、基本的に食材や料理方法といったことにはあまり興味がないこともあって残念ながら詳しい説明をすることはできない。
また、中には食のバンコク化や効率化(手のかかる料理は家でも店でも作らなくなっている)に伴って、消えゆく料理もある。