日本では決まった携帯電話番号がないとすごく不便
コロナ禍で日本に足止めを食らって半年が過ぎた。
期せずして11年ぶりの日本長期滞在となっているが、現在(2020年10月)日本では「ドコモ口座」経由の預金口座からの不正引き出し事件が発生したことも影響して、ウェブ上のサービスを利用する際にいわゆる「2段階認証」が一般的になりつつある。
2段階認証とは、簡単に言えばIDとパスワードの認証(1段階)に加えて別の方法での認証をすることで初めてサービスを利用(ログイン)できるようにすることだ。
方法としてはその時限りのワンタイムパスワードを使うのが一般的で、その取得手段はEメールアドレスへの送付、グーグル認証システムなどの専用アプリやトークンと呼ばれる専用機器で生成するなど複数あるが、最もポピュラーなのは登録した電話番号にSMS(ショートメッセージ)で送付するというもので、スマホやガラケーを契約していれば利用でき、機器が手元になければ認証できないことから安全性が高くユーザーフレンドリーでもあるので普及しているのだろう。
チェンマイ(タイ)にいるとSMSによる2段階認証は使用できないので、すごく不便に感じるのだけど……
タイでも日本でも銀行や証券会社など金融系企業ではこのSMSを使ったセキュリティ対策は普及していたけど、最近はそれ以外の例えばメルカリのようなサービスでも、アプリ以外からログインしようとすると2段階認証を求められてしまう。
また、ヤフーもメール以外のサービス含めパスワードを変更(自分はセキュリティ対策で定期的に行っている)すると、新パスワードでログインする際にSMS認証が要求される。
こうなってくると、自分のような海外に居住しつつ時折一時帰国する者にとっても日本の固定された携帯電話番号を保持しておくことは必須となってくる。
海外居住者には3大キャリアは高すぎる
総務省が2019年12月に発表した「電気通信サービスの契約数及びシェアに関する四半期データ」によれば、携帯電話の契約数は1億8,096万件でNTTドコモが38.1%、KDDIグループが27.9%、ソフトバンクグループが21.4%のシェアを占めているという。
3社で87.4%と圧倒的な寡占状態でこれが日本で携帯電話料金が下がらない理由だともされているが、日本で働きながら暮らしているならともかく、海外に住んでたまにしか日本に戻らない人間が主に携帯電話番号を維持するためとしては、あまりに高すぎる。
なので、これらの3大キャリア以外の、いわゆるMVNO(仮想移動体通信事業者)と呼ばれる格安携帯会社を利用することになるのだが、自分はもともと日本に住んでいた時からb-mobile(日本通信)という企業のSIMカードをチェンマイ(タイ)で購入したスマホに刺して使っていた。
チェンマイ(タイ)に住むことになっていったん解約したものの、一時帰国時に口座を持っている金融機関をウェブサイト上で利用しようと思うとSMSでの2段階認証を求められることが多くなり再度どこかと契約しようとリサーチを始めたところ、このb-mobile(日本通信)からまさに自分のような者にとってピッタリのサービスが提供されていたので、昨年のはじめに一時帰国した際に速攻で利用手続きをしてしまった。
月1,000円程度で番号を維持できる「990ジャストフィットSIM」
b-mobile(日本通信)ではいくつかの商品(サービス)をラインナップしているが、自分のように主に海外(タイ)に居住して時折日本に一時帰国するような人にとっては、選択肢はただひとつ「990ジャストフィットSIM」だ。
「990ジャストフィットSIM」の特徴
日本にいない時は月992円(税別。以下すべて同)
基本的には日本にいないので利用はゼロということになるわけだが、その場合は月額基本料金990円+ユニバーサルサービス料2円の合計992円(税込1,091円)しかかからない。
なお、契約時に初期手数料が別途3,000円必要となる。
最低利用期間、解約金はない。
利用状況などはマイページで確認できる
日本にいて使用する場合はデータ使用量で料金が変わる
日本に一時帰国していて実際にSIMカードを使う場合は、データ使用量によって料金が変化する。
1GBまでなら月額基本料金で利用可能で、自分は一時帰国する時はだいたい2週間前後なのだが、これ以上になったことがない。
今は日本もいたるところでフリーWi-Fiが用意されているし、自分は動画とかを自宅以外で観ることもないからかもしれないが。
音声通話にも対応
「990ジャストフィットSIM」は、音声通話にも対応している。
LINEやメッセンジャーなどもあるし、そもそも今どきあまり通話することはないのかもしれないが、自分の場合は一時帰国時にお目にかかって会食する現役時代の先輩の多くがお年を召しており、いまだにガラケーで通話しかしないというケースもあって音声通話に対応しているのは意外に助かっている。
料金は、b-mobile専用通話アプリをスマホに入れておけば、30秒10円しかかからない。
日本から海外へ国際電話をかけることもできる(ドコモ回線は要申込)。
また、たぶん自分のようにチェンマイ(タイ)に住んでいたらわざわざ使うこともないだろうが、ドコモのSIMカードなら海外ローミングをつけることにより、海外からも通話ができる(データ通信は不可)。
日本にほとんどいないので自分は利用していないが、留守番電話やキャッチホン・割込通話などのサービスも別途有料で用意されている。
回線はドコモかソフトバンクが選べ料金は同じ
「990ジャストフィットSIM」の回線は、ドコモかソフトバンクかが選べ、同じ基本料金体系になっている。
チェンマイ(タイ)に住んでいれば普通は自分のように当地で購入した機器を使っているだろうからどちらの会社でも関係ないのだが、もしどちらかの会社のSIMロックがかかっているスマホやガラケーを使いたいなら、その会社のSIMカードを注文すればSIMロックを解除する必要がない。
ちなみに、自分はドコモの回線を利用しているが通信上のトラブルは今まで一度も起きたことはない。
そもそも、送られてくるのがドコモそのまんまのSIMカードだし。
また、自分の使用しているスマホ・携帯端末でb-mobile(日本通信)のSIMカードが使えるかどうかも「利用できる端末」から調べることができる。
申し込みは簡単、セッティングはSIMカード挿入のみで完了
「990ジャストフィットSIM」の申し込みは、ものすごく簡単だ。
もちろん、MNP(ナンバーポータビリティ)を利用して電話番号を変えずに他社からの乗り換え契約(MNP転入)することもできる。
まずは、「990ジャストフィットSIM」のトップページのトップページに行って、右上にある「購入・申込」をクリックする。
次に、利用する回線(ドコモかソフトバンク)かを選択し、初めて契約する場合は「ID新規登録」を選んで「次へ」をクリックする。
あとは指示にしたがって必要事項を記入して申し込み手続きを完了するだけだ。
なお、本人確認はパスポートでも可能だが、その場合は合わせて住民票か公共料金(電気、都市ガス、水道)の領収書」が必要になるので注意。
また、契約にはクレジットカードも必要になる(デビットカードは不可)。
契約が済めば、SIMカードが送付されてくる。
カードと一緒に初期設定のやり方が書かれた紙が入っているので、それにしたがって作業すればまったく問題ないが、自分が使っているASUS Zenfone 5zの場合はSIMカードを挿入しただけで自動的に初期設定が完了してしまい、特にやることは何もなかった。
この辺は、機種によって異なるのかも。
なお、初期設定の方法や電話アプリの操作方法などは、サポートページで動画も用意されているのでまったく心配いらない。
もっと安いサービスとかもあるのかもしれないが……
自分は携帯(スマホ)や回線会社のマニアでもないし、そもそも基本的にチェンマイ(タイ)に住んでいて日本に戻ってくるのはせいぜい1年に3回、1回あたり2週間がいいところなので、丹念に調べればもっと安いサービスもあるのかもしれない。
が、そんなにじっくり調べる根性もなく、いくら安くても成田空港や羽田空港に到着してSIMカードを入れ替えてスマホの電源をオンにしてもうまく回線がつかまえられずイライラする……なんてことはゴメンだ。
b-mobile(日本通信)は仮想移動体通信事業者(MVNO)の先駆けで東証一部に上場もしており、ソフトバンクとは相互接続もしているなど信頼性は高い。
日本の携帯電話番号を維持することができ、一時帰国で戻って来た時にも銀行や証券会社などの金融機関のサービスなどをウェブサイト上で利用した時にストレスなく使え、その上何かあれば通話もできるなら、1か月990円は本当に安いと思う。
もし、自分と同じようなニーズを持つ人がいるとすれば、b-mobile(日本通信)の「990ジャストフィットSIM」はおすすめだ。
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