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チェンマイなのに別のどこかにいるみたい 売り物も雰囲気も独特なチンホー(隊商雲南人)金曜朝市

チェンマイのチンホー(隊商雲南人)金曜朝市 タラート(市場)徹底解剖
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どんな市場?

チェンマイ市内中心部、ナイトバザールのすぐ近くにある通称イスラム通りで金曜日の朝に開催されている市。

日本語では「山岳少数民族朝市」、「イスラム朝市」などと呼ばれることが多いようだが、こちらでは「タラートナット(ตลาดนัด=定期市)・チンホー(จีนฮ่อ=馬に乗った中国人=隊商雲南人)」あるいは「タラートナット(定期市)・チーンユーンナーン(จีนยูนนาน=中国雲南)」というタイ語表記をよく目にする。

チェンマイのチンホー(隊商雲南人)金曜朝市から見えるモスク
市場の真向かいはモスク

が、実際のところは雲南中国人だけではなく、タイヤイ(シャン族)をはじめそのほかの山岳民族も店を開いている。

なので、言い換えれば「非」コンムアン(คนเมือง=都人(みやこびと)=チェンマイ人)朝市ということにでもなるだろうか。

チェンマイのチンホー(隊商雲南人)金曜朝市の山岳民族
衣装を着た山岳民族も店を開いている

ロケーション

この定期市は、旅行者にも非常に便利なロケーションで開催されている。

ナイトバザールのあるチャーンクラーン通りをターペー通りとの交差点から南下して来て150mほど来ると左手にソイ(路地。チャルンプラテート通りソイ1)がある。

その路地を入るとすぐ左手にモスクがあるのだが、その向かいの駐車場と夜はショップやレストランが営業しているアーケードのようなスペースがあり、金曜の朝だけ市となる。

チャルンプラテート通りからだと同ソイを入って150mほどのほか、その1本南にあるチャルンプラテート通りソイ6やポンピンタワーホテルの駐車場からもアクセスすることができる。

タイ語があまり聞こえず売り物も独特

普段は別の用途に使われている場所で半ば強引とも感じられるように定期市が開催されているため、内部は非常にごちゃごちゃとしていて歩きにくいが、それほど広いスペースではないので行ったり来たりしても疲れてしまうようなことはない。

チェンマイのチンホー(隊商雲南人)金曜朝市の内部
チェンマイのチンホー(隊商雲南人)金曜朝市の八百屋
チェンマイのチンホー(隊商雲南人)金曜朝市の露店

市は大きく店舗と飲食店のスペースに分けることができる。

店舗で売られているものは、洋服や服飾雑貨、古い民具、痔になった肛門の写真を何枚もディスプレイして売っている怪しげな漢方系の薬など買いたいとはぜんぜん思わないものも多いが、何といっても興味をひくのは他の市場ではあまり目にすることがない珍しい食品類だろう。

雲南系のカーオソーイ屋で付け合わせに出てくる高菜の唐辛子漬けをはじめ、ヤギ(雲南中国人はイスラム教徒がほとんどなので豚肉は食べない)や烏骨鶏の肉、さらには豆腐やこんにゃくなどの加工食品、「もち おいしいです」と日本語で書かれたカーオプック・ガーダム(ข้าวปุกงาดำ=黒ゴマの入った餅を焼いて黒砂糖のペーストを塗ったもの。タイヤイ=シャン族の間で広く食されている)、インド料理のカレーやサモサ(ポテトの包み揚げ)、さまざまな色・形の米、ごぼうやヤマイモなど日本人にもなじみがあるがチェンマイではあまりポピュラーではない野菜など、ついつい立ち止まって見てしまう。

チェンマイのチンホー(隊商雲南人)金曜朝市の高菜の唐辛子漬け売り
高菜の唐辛子漬け売り
チェンマイのチンホー(隊商雲南人)金曜朝市の肉屋
チェンマイのチンホー(隊商雲南人)金曜朝市の干し肉屋
干し肉屋
チェンマイのチンホー(隊商雲南人)金曜朝市の豆腐とこんにゃく売り
豆腐(左)とこんにゃく売り
チェンマイのチンホー(隊商雲南人)金曜朝市の餅屋
焼き餅屋。3軒くらい固まって並んでいる
チェンマイのチンホー(隊商雲南人)金曜朝市の焼き餅
その場で食べられるようバナナの葉でくるんでくれる
チェンマイのチンホー(隊商雲南人)金曜朝市のインドカレー屋
インド(ベンガル?)カレー屋

店の売り手と買い物に来ている客が交わしている言葉の多くはタイ語ではなく、主に中国語(雲南語?)で普段耳にしているタイ語とはまったく違っており、意味もまったくわからないのに思わず聞き入ってしまうこともしばしばだ。

もちろんお店の人はタイ語もしゃべれるのだがその発音には結構訛りがあったりして、自分のつたないタイ語と第二外国語同士での会話もそれはそれでまた楽しかったりする。

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雲南麺やタイヤイ料理の朝食を食べてみよう

飲食店は最近場所を移動したのだが、共用のイスとテーブルを囲むようにして数軒の店が並んでいる。一番目につくのは漢字(簡字体)で「云南米线(雲南米線)」と書かれた看板を出している麺類の店だ。

日本では「過橋米線」という名前で近年あちらこちらで食べることができるようになった雲南が本場の麺だが、その名の通り本来は「橋を渡っても冷めることがない」くらい表面に油を浮かせたスープの中に麺のほか肉、中華ハム、野菜類が入っているのが普通だ。

が、タイまで南下して伝わったものは暑い気候に合わせているのか、どんぶりの表面に油が浮いているようなことはなく、また常設ではない屋台のようなキッチンで作るためか具材もほとんど入っておらず非常にシンプルなものに仕上がっている。

その分あっさりとしていて食べやすく、朝食にはもってこいだと思う。

チェンマイのチンホー(隊商雲南人)金曜朝市の食堂エリア
食堂エリア。周りに並んでいるのは夜営業するお店
チェンマイのチンホー(隊商雲南人)金曜朝市の雲南米線屋
チェンマイのチンホー(隊商雲南人)金曜朝市の雲南米線
雲南米線

そのほかに自分が特にお気に入りなのは、米細麺の上からトゥアリンというおそらく大豆の仲間の豆の粉を練ってドロッとペースト状にしたものをかけ、さらにピーナツ、パクチーを大量に散らしてからタイヤイ(シャン族)醤油をかけ回した「カーオフンウン(ข้าวฟืนอุ่น。店によってはカーオフンローン=ข้าวฟืนร้อนと表記)」だ。

こちらは雲南料理というよりもタイヤイ(シャン族)料理で、タイ最北端のミャンマー国境の街メーサーイに行くとたくさん売っているのだが、チェンマイではアーサーラハブーチャ(三宝節)の日にタイヤイ(シャン族)寺院へ行ったりしない限り食べる機会がなかなかないものだ。

ペースト状になってはいるがチョーク(米のドロッとしたお粥)とはまったく違った食感で、たぶん日本では食べることができないのでぜひ試してみてほしい。

チェンマイのチンホー(隊商雲南人)金曜朝市のカーオフンウン

ただし、いずれの店も屋台ということもあってあまり衛生的ではないので、気になる人にはおすすめしない。

なぜここに市が立つのか?

チンホー(馬に乗った中国人=隊商雲南人)は、モンゴル帝国の時代に南進してきた人たちの末裔と言われており、そのほとんどがイスラム教徒である。

そして、なぜこのソイ(路地)にこのようなムスリム・コミュニティーがあるかというと、その昔ここで雲南から馬に乗ってやってきた隊商が荷をほどいて馬をつないで休ませたかららしい。

今はチェンマイ市内のど真ん中ということもあり当時の面影はまったくないが、その様子に想いをはせながら市をブラブラしてみるというのも楽しいと思う

生鮮食料品が中心の定期市なので、旅行者が買えるようなものはほとんどないが、ほかのタラートとは大きく売っているものが異なるので、見ているだけでも楽しいのは間違いない。

飲食店も出ているので、朝食を食べがてら見学に来るというのが一番いいだろう。

金曜日にチェンマイにいるのであれば、ぜひ立ち寄ってみてほしいスポットだ。

市自体は10時ごろには片づけが始まってしまうので、早起きして出かけよう。

朝の8時前後が一番にぎわっているようだ。

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コメント

  1. イトウ より:

    こんにちは、初めまして、チェンマイに年2回、3月頃と9月頃、約3週間行きナイトバザール通り近辺をブラブラするリタイアした者です。楽しくブログを拝見させて頂いております。金曜朝市の詳しい説明参考になりました。これまで何回もただぶらりと行くだけでしたが、奥が深かったです。以前チェンマイに着いた木曜日夜、直ぐナイトバザールに遊びに行き、金曜日になり午前1時頃からお店設置の準備を始めるのを見ました。丁度ドリアンを売っておりお金のないタイの知人が歓迎のためか大金190Bを出しご馳走してくれました。1個皮を剥がして貰い食べました。美味しいと言うか。また、焼き餅は食べましたがタイヤイのとは知りませんでした。次回に行った時は、色々な食べ物を試したいと思います。

    • Ganesh Ganesh より:

      イトウさん、はじめまして。コメントありがとうございます!
      金曜朝市は、楽しいですよね。
      あそこの焼き餅は、メーサーイとかで食べるのに比べるとかなり柔らかい(できたて?)気がします。
      記事にはしていませんが、ほかにもいろいろ変わった食べ物がありますので、ぜひ試してみてください(^^)

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