ローイクラトン大祭の日にチェンマイを離れる
急な用事のため、日本に一時帰国することになった。
すぐに東京行きのチケットを探さなければならないのだが、タイはちょうどローイクラトン(灯篭流し)の期間中。
このイベントのために1年前からチケットやホテルを確保する人もいるくらいの人気のイベントなので、特にチェンマイを出る便は軒並み満席か空席があっても「え~っ!」と目を丸くするくらいの高値になっている。
色々調べて何とか確保できたのは、11月5日の夕方チェンマイ発のタイ航空TG113便。
今年のローイクラトンはその日が「クラトンヤイ(大祭)」で、何もこんな日にチェンマイを発たなくても……思ったのだが、事情が事情だけに仕方ない。
自分の家からチェンマイ空港へは市内を通るわけではないのであまり渋滞はしないのだが、ローイクラトンのような大きなお祭りがある時は何があるかわからないので、普段よりもかなり早く自宅を出て万が一に備えた。
空港は普段通りで出発客も多い
自宅からチェンマイ空港までの道はまったく混んでおらず、いつも通りの所要時間だった。
ローイクラトン当日にチェンマイに来る人はいても出ていく人なんてほとんどいないのではないかと想像していたのだが、出発ロビーは普段と変わらない様子だった。

ずらっと並んでいるのはLCCのチェックインの順番待ちの人達だ。
自分は今回タイ航空では「ロイヤルシルククラス」と呼んでいるビジネスクラスを利用するので優先レーンへと進んだ。

チェックインはあっという間に済み預け入れ荷物をリリース(チェンマイ空港では預け入れ荷物はチェックイン後に自分でセキュリティチェックの場所まで運ばなくてはならない)、エスカレーターで2階に上がって制限区域に入ろうとするとすごい行列ができていた。

「こりゃ中に入るのに時間かかるな~」と思い列に並んだのだが、意外にスムーズに人が捌けていきセキュリティチェックを通過、ラウンジへと入ることができた。
快適になったシートで定刻の離陸
女性スタッフがラウンジ内を歩きながら、TG113便のボーディングが始まったことを知らせるのを聞いてラウンジを出た。
この日はラウンジを出てほぼ目の前の4番ゲートからの搭乗だ。
最近TG(タイ航空)では搭乗券にプリントされた番号にしたがってボーディングするようになった。
ビジネスクラスは当然「1」で、最優先でゲートを通過する


通常TG(タイ航空)のチェンマイ-バンコク線はエアバスA320-200で運航されているが、ビジネス(ロイヤルシルク)クラスは今年(2025年)に入ってそれまでの呼称だった「エコノミープラス」から格上げ(?)されシートもまったく新しいものに生まれ変わった。

小型機の短距離便なので、もちろんフルフラットのような本格的なシートではない。
シートの脇にはリクライニングとフットレストのボタンがあるだけだ。

フットレストはひざ元からせり上がってくるタイプ。

それでもシートピッチや隣席との間隔は、バンコクまでのわずか1時間ほどのフライトでは十分なゆとりがある。



搭乗機はほぼ定刻にゲートを離れ、グランドハンドリングスタッフのグッバイウェーブを眺めながらチェンマイ空港を離陸した。

【動画】TG113便のチェンマイ空港離陸
デザートはローイクラトン特別メニューの機内食
チェンマイ-バンコクはちょうど1時間のフライトだが、ビジネスクラスではしっかりとした機内食が出る。
機がまだ上昇中のうちからキャビンアテンダントがバタバタと準備を始めた。
まずはテーブルクロスが敷かれるが、同時に飲物の希望を聞かれたのでコークゼロをリクエストする。

すぐに食事が運ばれて来た。

もちろんワンプレートでの提供だ。
この日のメインは、センヤイ(太米麺)ミートソースというタイ・西洋ミックス料理。

以前のフライトでも食べたことがあるので、TG(タイ航空)では定番のメニューなのだろう。
ミートソースはかなり甘めで、誰でも食べられるような味つけになっている。
量もちょうどいい感じで、完食だ。
食後のフルーツもこれまた定番の内容。

いつもならデザートは正直言ってあまりおいしくないケーキ系なのだが、この日は見た瞬間に「おっ!」と驚くようなものだった。

ローイクラトン期間中の特別メニューだ。
ココナツゼリーの入った、おそらくアンチャン(バタフライピー=蝶豆の花)で青く色をつけ川の流れに見立てたゼリーの上に満月と蓮の花をかたどったこれまたゼリーを浮かべている。
見た目は美しかったが、すべてがゼリーで味がほとんどついておらず途中で飽きてしまった。
これが月と蓮の花の部分だけでも練り物のようなものだったらずいぶん印象が違っただろう。
まあ、縁起物(?)なので味のことを言うのは無粋だとは思うが。
この後はコーヒーか紅茶のサービスがあるのだが、自分はパス。
かわりにあらかじめプレートに置いてあった水をいただいた(同じペットボトルは搭乗した時にもサイドテーブルに置かれている)。

食事を終えて外を眺めると、クラトンヤイ(大祭)にふさわしい大きな満月が東から空高く昇ろうとしていた。

この時間のスワンナプーム空港は空いている
この時間のスワンナプーム空港着のフライトはたいてい空港の西上空を通過、いったんシャム湾に出てからUターンしての着陸となる。
今回の搭乗便タイ航空TG113便もやはり同様のコースだった。
【動画】TG113便のバンコク・スワンナプーム空港着陸
着陸後もスムーズにゲートまで向かい、扉が開いてすぐに降機できた。
ゲートブリッジに入ってすぐのところにある液晶画面で、預け入れ荷物が出るターンテーブルの場所を確認してからコンコースを進む。


到着ロビーの預け入れ荷物受け取りエリアはガラガラだった。

これなら荷物もすぐに出て来るだろうと思いターンテーブルのそばに立って待つ。

ところが、ここからが長かった。
10分近くたってもぜんぜん荷物が出て来る気配がない。
待ちくたびれて近くのイスに座ったがさらに10分以上待ってようやくターンテーブルが回り始めて荷物を受け取った。
この日はそのまま成田への便に乗り継ぐのだが、チェックインの開始まではまだ2時間以上ある。
一般エリアに出ると、右手にタイで暮らしている人なら誰もが知っているであろう「ガイヤーンハーダーオ(5つ星タイ式ローストチキン)」の店が新しくオープンしていた。

さっき機内で食事を取ったばかりだが何かお腹が空いて来てしまい、吸い寄せられるように店に寄るとガイヤーンを買って近くに並んでいるイスに座って食べながら時間をつぶした。




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