ソンテウとは?
バンコクのようにBTS(スカイトレイン)や地下鉄、バスなどの公共交通機関が発達していないチェンマイで、自前の足を持たない市民に最も利用されているのがソンテウだ。
ソンテウは「สองแถว(2列)」、また別名で「シーロー(สี่ล้อ=4輪)」、「ロットデーン(รถแดง=赤い車)」と呼ばれていることからもわかる通り、赤い車体の四輪ピックアップトラックの荷台の側面に2列の座席と屋根をつけたもので、簡単に言えば自分の希望する場所までピンポイントで行ってくれる乗り合い自動車、ということになるだろうか。
乗り方・降り方と料金
これを利用する時には、ソンテウが走って来たら手を斜め下(タイでは頭は神聖な場所なので、日本のようにその上に手を上げることはしない)に出して止めて、助手席の窓から自分の行きたい場所を告げる。
運転手は簡単な英語であれば理解することが多いが、ホテルやレストランの名前などはよく知らない場合が多いので、「***交差点」とか「タラート(市場)***」とか近くの目印を指定したほうがスムーズに伝わるだろう。
あらかじめ、宿泊しているホテルでタイ語で行き先をメモ書きをしてもらったり、グーグルマップの場所のタイ語スペルを見せればより安心だ。
ただし、タイ人は地図が読めない人も多いので、持ってるマップを広げて見せても理解できないかも。
運転手がうなずけば「乗れ」ということなので、車の後ろに回り込んで乗車する。
運転手によっては外国人ということで優遇(?)してくれて、「助手席に座れ」と言ってくることもあるが、言われなくても空いていれば座ることができる(一応確認したほうがいい)。
何も言わなければ料金は一律30THB(ボディ横の屋根に近い部分にタイ語と英語、あるいはさらに中国語で明記されている)で降りる時に支払えばよいが、遠いところやほかの乗客の行き先と離れた場所などの場合は別に料金を言われることがある。
ちなみに、ソンテウのボディー側面にはタイ語で「常連客以外の乗客は第2環状道路の内側のみ乗車可能」というようなこと書かれているのだが、たぶん誰も気にしていないし、そもそもチェンマイの環状道路はスーパーハイウェイとマヒドン通りをセットにして第1環状道路とするかしないかが人によって異なり、ここで言う第2環状道路が700年記念道路(国道3029号線)なのかその外側を走る外環道路(国道121号線)のことを指すのか判然としない(もしかしたらドライバーによって異なるかも)ので、あまり意味を持たないと思う。
もし料金を言われた場合、納得できる金額なら乗り込めばいいし、納得できないなら「マイアオ・K(男性はครับ=クラップ、女性はค่ะ=カーまたはเจ้า=チャオ(คำเมือง=カムムアン=チェンマイ語)。すべて「いらない」という意味)」と言って次をあたればよい。
また、複数人で利用する時には念のため全員の料金か一人あたりの料金なのかを確認しておこう。
いい(高い)値段なので全員分だと思って乗り込んだら、降りる段になって「乗る時に言った料金は一人あたりだ」などと言ってくる悪徳運転手もたまにいたりするので、その辺はしっかり確かめておいたほうがいいと思う。
手や首を横に振った場合は、おそらくすでに乗っている乗客の行き先と方向がぜんぜん違うので「行かない」ということなので、これもまた次をあたることになる。
乗合自動車なので、先に乗客がいた場合はその人の目的地まで先に行くことがある。
そのため、自分の行き先とはまったく違う方向に走って行って心配になってくることもあるが、あまりあわてないように。
座席の横には小窓がついているので、今自分がどの辺を走っているのかは常に確認しておくようにしたほうが安心だろう。
自分が降りる場所が近づいたら、屋根についている呼び鈴を鳴らして運転手に知らせる。
さらに細かな場所を指示する場合は、運転席に向かって「その先の十字路を右に曲がって」とか「7-11のところで止めて」とか伝えればよい。
ただし、タイ語ができないとうまく通じない可能性もあるが……。
イレギュラーなソンテウもある
ソンテウは上記の通り基本的には行き先の決まっていない乗り合い自動車なのだが、時として普通のタクシーのようになったり路線バスのような役割を果たすこともあるので注意が必要だ。
例えば、観光スポットやショッピングセンターの前などで客待ちしているソンテウは、他の客を乗せずに目的地まで直接向かう(そのかわりに1人30THBでは行かず、トゥクトゥクと同じように値段を言ってくるので交渉が必要)ことが多いし、チャーンプアック市場の前に止まっているソンテウは、ドーイ(山)ステープ寺院だけに行く路線バスと同じような使われ方をしている。
なお、ソンテウには赤ではなく水色や黄色などに塗られたものもあるが、これは基本的にチェンマイと郊外の街を結ぶ路線バス(フロントガラスの上にタイ語で行き先が書いてある)なので、市内で走っているを見かけても赤色のソンテウのようには使えないので注意しよう。
ちょっと上級者向けのソンテウ利用法
また、ソンテウは観光用にチャーターすることも可能だ。
これはもっぱらホテル前とかで客待ちをしているソンテウになるが、観光客を見つけると地図や郊外の観光スポットの案内パンフレットなどを広げながら誘いをかけてくることが多い。
向こうが言ってくる場所(多くはコミッションがもらえる)だけでなく、こちらが行きたい場所を示してそこだけを回ってもらうことももちろんできる。
料金は時間、半日、あるいは1日単位での貸切となるが、こうした使い方をするのであれば事前の料金交渉はキッチリとしておかないと途中でもめる原因になる。
人のいい運転手にあたると、観光客にはあまり知られていないようなレストランに連れて行ってくれたり、時間をオーバーしても追加料金なしで観光地を案内してくれることもある。
そのようなドライバーに運よく巡りあったらチップをはずみ、携帯電話番号を聞いておいて次からは指名(呼び出し)で使うのも手だろう。
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コメント
紙媒体での創刊以来拝読させて頂いております。
私も1995年から2年半、旧称Rajamangala Institute of Technologyのキャンパス内に住み、その後旧称Pacific Mansionに10年部屋を借りたままチェンマイへの出入りを繰り返しておりました。
さてコメントというより、同時期にタイに出入りをされていた方にしかわからないであろう質問なのですが…
Wat Jed YodからSuper Highwayを挟んだ真向かいあたりに昔「ガイヤーン・ホイゲーウ」という店があり、ここのガイヤーンとトムヤムスープは絶品で値段も安かったのですが、いつの間にか別の店になり、いまでは廃屋となっている?ようです。
味露飯店のように移転してくれていただけなら…と期待しつつ今に至っているのですが、ご存じないでしょうか?
突然の、コメントにもならないコメントで失礼いたしました。
T. Lannaさん、コメントありがとうございます。
ガイヤーン・ホイケーオ、すみません私は存在も知りませんでした。
ご存じかと思いますが、チェンマイ(タイ)ではすぐに店がなくなったり、そのままあってもオーナーが売却して中味がまるっきり変わっていたりするので……
お役に立てず、すみません。
わざわざ時間をとって返信いただき、ありがとうございます。
例年でしたら花粉症を逃れてチェンマイにいる時期なのですが、COVID-19でそれも叶わず、北タイ関連のサイト巡りをしながら過ごしております。 今後とも楽しみに読ませていただきます。
デーン2、私もよく行きます。知り合いのタイ人も誰一人名前の由来は知らないようでした。ただ、チャンクラン通りに店を出していたドイツ人の方によると、デーン2の経営者は兄弟の弟が引き継いだ2代目の店で、デーン1は兄が継いだ自動車部品を扱う店で既に廃業しているとのこと。但し真偽のほどはわかりません。
デーン2、よく行かれますか。何かと使い勝手がいい店ですよね。
2の由来を教えていただきありがとうございます。
おっしゃる通りだったら、1をいくら探しても見つからないですね(^^)