父を看取ってチェンマイへの帰途につく
「プロフィール」にも記している通り、自分たち夫婦は2013年からチェンマイでリタイヤ生活を送っていた。
が、2022年初めに89歳になる父が突然体調を崩し1年の余命宣告を受けたことで状況が一変、一人息子である自分は亡くなった後の手続きなども考えると相当期間チェンマイには戻れないかも、と考え丸6年住んでいた郊外の一軒家の契約を解除し撤収、新たに衣類や生活道具、所有している自動車やスクーターのための物置がわりの物件を借りて5月に日本に帰国した。
実際は、自分が日本に戻って2ヶ月半後の7月末に父は亡くなり、その後のさまざまな手続きなども思っていたより順調にカタがつき、何とかまたチェンマイに戻ることができるようになった。
ちょうどそのタイミングに重なるようにタイ国政府がそれまで要求していた新型コロナウイルスの陰性証明をはじめとするすべての特別な手順を9月末日をもって完全撤廃、コロナ禍以前の平時とまったく変わらない状態での外国人入国を認めるようになった。
不在中はお友達が定期的に面倒を見てくれてるとはいえおんぶにだっこというのも心苦しいし、あまり間を空けるのもいかがなものかということでカミさんとも話し合い、まずは自分が先発隊(カミさんは後日合流してどこか別の物件に滞在))として帰チェンすることにした。
初めて行列したジップエアのチェックイン
今回は日本に戻る日がまだはっきり定まっていないということもあって、往路はジップエアのフルフラットを片道購入することにした。
ジップエアに乗るのはコロナ禍になってこれで3度目だが、これまではタイ入国にさまざまな制限があった関係で極端に搭乗客が少なかった。
自分が搭乗したフルフラットで言えば前々回のフライトは3人、そして前回2022年2月のフライトは何と自分ひとりだった。
入国に必要な書類や手続きがなくなったのでさすがに今までのようなことはないだろう、と思いながらチェックインカウンターのある成田空港第一ターミナル北ウイングに向かったら、ビックリしてしまった。
ジップエアのブロックには長い列ができていた
チェックインカウンターの前のスペースには入ることができないので、通路の一部にずら~っと人が並んでいる。
今はまだいいけれど、これで空港が完全に平時に戻ったらこんな風に並ぶことも難しくなると思うのだが、いったいどうするのだろう???
チェックイン開始は出発の3時間前となっており、自分はその10分くらい前に並んだのでもしかしたら人が動き出してからここに来た方がいいかもしれない。
ともあれ、自分が並ぶとすぐにチェックインが始まった。
が、カウンターの前に列が移動しただけで引き続き並んでいることには変わりはなかった。
LCCの作法がわかっていないのか、カウンターの前でもめている人が多い。
タイの空港でもよく見かける荷物の重量オーバーだろう、カウンターの前でスーツケースを広げて詰め替えを始めちゃってる日本人も複数いる。
結局、自分がチェックインできたのは開始20分後くらいだった。
チェックインの時に係員に確認したら、今日のフルフラットの搭乗客は10人とのことでガラガラではなさそうで少し安心した。
優先搭乗はないが、シートはビジネス並で快適
チェックインを終え、ガラガラの手荷物検査と出国手続きを経て制限エリアへと入る。
コロナ禍以降ほとんどの店舗がシャッターを下ろし歩いている人もまばらだったのだが、さすがに今回は違っていた。
ラーメンの一風堂やマクドナルドの前には行列ができている。
自分はジップエアの予約を入れる際に同時購入し、チケットをチェックインカウンターで受け取っていた「ナリタトラベルラウンジ」でボーディング時刻ギリギリまでくつろいだ。
ちなみに、プライオリティパス【楽天プレミアムカード があれば無料で作れます!】のメンバーであればジップエアの搭乗ゲートのすぐ近くにあるKAL(大韓航空)ビジネスクラスラウンジが利用できるのだが、現在は同航空のフライト時刻に合わせた時間帯のみ営業となっており、ちょうどジップエアの搭乗待ち最中にクローズされるようで使い勝手は悪い。
タイのLCCと違いさすが日系のLCC、搭乗客が増えているとはいえボーディングは予定時刻ピッタリに始まった。
自分は最後のほうに搭乗しようと思いイスに座って様子を見ていたが、この日の搭乗客は全部で100人前後といったところだろうか。
6~7分ほどで順番待ちの列はなくなり、自分も機内へと向かった。
一応、スタンダード(いわゆるエコノミークラス)とフルフラットでは機内への通路が分かれている。
機内への入口では、CAさんが「お待ちしておりました」と迎えてくれてとてもLCCとは思えない接遇だ。
ソロシートだがLCCらしく簡素な設備
シートポジションと照明コントロール、あとは電源コンセントとUSBソケット程度の最低限の設備しかない。
これはレガシーキャリアでも共通なのだが、ドリームライナー(ボーイング787型機)のソロシートには物を収納するスペースがまったくないのがいつも困る。
「そんなに入れる物はないよ」とツッコミを入れたくなるくらい収納スペースが豊富なライバル機のエアバスA350型機とは対照的だ。
正面はモニターもなくただの物入れネット
ちなみに、ジップエアではインターネット接続が無料で用意されている。
接続できるサイトに制限はあるが、多少のエンターテインメント系コンテンツも用意されている。
また、フライトマップを見たり飲食物を購入したりするにはこの無料インターネットに自分のスマホやパソコンをつないでそこから行うことになる。
搭乗機はほぼ定時に成田空港を出発した。
この日はあいにくの雨で、離陸するとすぐに雲の中に入ってしまい外の景色はまったく楽しめなかった。
ジップエアZG051便から見た雨の中の成田空港離陸【動画】
LCCなりの食事。アメニティはあったほうが快適だ
自分はジップエアの航空券を購入する際は、「プレミアムパック」というのをセットしている。
これは、事前座席指定、機内食、機内持ち込み手荷物の重量追加(計12kg)、預け入れ荷物1個(23kg以下)、アメニティセットが含まれ8,900円となっていて、個別に購入するより30%お得らしい。
離陸して30分くらいするとアメニティセットが渡された
過去のフライトでは離陸後1時間以上たってから渡されて、後日来たアンケートに「あまりに遅すぎるので、事前に座席に置いておくかせめて離陸後シートベルト着用サインが消えたらすぐにほしい」と書いたことがある。
もちろんそれが受け入れられたわけではないだろうが、今回は非常に早く感じた。
中には、ブランケットにスリッパ、ネックピロー、アイマスクと耳栓が入っている。
ブランケットがあるだけでくつろぎ度がぜんぜん違う
スリッパは乗り継ぎ用のバンコクのホテル内でも活躍する
機内食は20種類くらいあるうちの4種類が「サービスパッケージ」に指定されており、その中からチョイスする分には追加料金がかからない。
今回はバターチキンカレーを予約した
しょせんはLCCの機内食、と言ってしまえばそれまでだが、レガシーキャリアだとアルコールなどの飲物を含めついついお腹が苦しくなるほどなので量的にはこのくらいでちょうどいいと思う。
味も街のインド料理レストランで出て来るバターチキンカレーとはもちろん差があるけど、これはこれで十分おいしくいただけた。
LCCなのでイミグレから一番遠いターミナルの端に到着
搭乗機は到着予定時刻の21時45分より20分ほどの早着だった。
雨が降っていた成田と違い、スワンナプーム空港に着陸する際は夜景がとてもきれいで「あ~、タイに戻って来た~」という気になる。
ジップエアZG051便から見たスワンナプーム空港着陸【動画】
過去2回のフライトは便数が少なかったからか、あるいは検疫などの手続き上ゲートを限定していたのかイミグレに割と近い場所に着いた。
が、おそらくこれがLCC本来なのだろう今回の便はE9ゲートからの降機となった。
スワンナプーム空港に詳しい人ならわかるだろうが、このE9ゲートはイミグレーションから最も遠いと言っても過言ではなくコンコースEの一番端からひたすら歩き、右折してコンコースDに入ってさらに進むとようやくイミグレーションの入口が見えて来る。
普通の人でも軽く10分以上かかる(動く歩道はある)と思われ、手荷物をいっぱい持っている人やお年寄り子供連れの人にはタイに着いた早々なかなかハードな移動を強いられることになる。
LCCは座席や機内サービスなどの差で語られることが多いけど、実際にはこういう空港での扱いにも現われる。
まあ、エアアジアのように経費節減のためゲートに接岸せず沖止めでタラップを使って乗降機させるようになっていないだけまだありがたいと思ったほうがいい。
そのようなあまりに遠い場所なので、自分はカートが迎えに来てくれていてそれに乗っての移動となった。
その後はファストトラック(優先カウンター)で入国手続きを済ませ預け入れ荷物が出て来るターンテーブルへ。
コロナ禍でスタッフの頭数が揃わず、時間によっては荷物が出て来るまでかなり待たされることもあるようだが、この日はすぐに荷物を受け取ることができた。
結局、降機から預け入れ荷物を受け取り一般エリアの到着ロビーに出るまで30分ほどしかかからなかった。
Booking.com
コメント