どんなホテル?
チェンマイから自動車で約4時間半、チェンラーイから国道1号線を北におよそ40kmのタイ最北部のミャンマー国境の街メーサーイとのちょうど中間のところにあるメーチャンの街の郊外の山の上に建つ高級リゾートホテル。
小山をまるごとひとつ敷地としており、隔離された環境の中のビラ形式のものすごく広い客室でのんびり過ごす、どちらかというと滞在型のホテルと言えるかもしれないが、タイ最北部のほとんどの観光スポットに車で1時間程度でアクセスという地の利もある。
ロケーション
このホテルは、公共交通機関でのアクセスは不可能(チェンラーイ空港との有料送迎サービスはある)なため、基本的には自分で自動車を運転して行く人のためにあると言ってもいいだろう。
チェンラーイからだと、国道1号線を北に約30km進みメーチャーンの街を通り過ぎ、メコン川沿いの古都チェンセーンへと通じる国道1016号線との交差点を見やって2kmほど進むと国民党の残党が住むお茶で有名なドーイ(山)・メーサロンへと通じる国道1130号線との信号のある交差点にぶつかる。
交差点を左折して国道1130号線へと入って多少アップダウンのある片道1車線の道をおよそ7km進むと、右手にこのホテルと谷をひとつ隔てた隣の小山の上に建つプーチャイサイ・マウンテン・リゾート&スパの大きな看板の出ている場所があるので、その看板にしたがって細い道を入って行く。
ここからは舗装されているようなされていないような、ひどい路面状態の山道になる。
基本的に一本道でところどころに案内看板が出ているので迷うようなことはないが、「本当にこんなひと気のない山の中にリゾートホテルなんてあるのかな。まだ着かないのかな……」と不安になってくるとようやくホテルのエントランスらしきものが見えてきて安心する。
国道からホテルまでのおよそ3kmほどは人家もほとんどなく街灯も整備されていないので、できる限り暗くなる前にチェックインを済ませたほうがいいと思う。
TEL:053-603000
WEBSITE:www.katiliya.com
暖炉まであるフロント棟
ホテルの敷地に入ると最初にあるのは駐車場だが、実際のフロントのある建物はここからさらに坂道を登ったところにあり、そこにも数台の駐車スペースがあるので、そこには車を止めずいったん上まで行ったほうがよい。
道の終点は「こんな山奥によく建てたものだ」と思わせるような豪華な印象を受ける大きな建物で、ここにフロント、レストラン、バーなどが集約されている。
エントランスから中に入って階段を数段登ると天井の高い大広間のような構造になっており、左手にフロントデスクがある。
フロントデスクは背面に大きなホテルのシンボルと思われる花のオブジェが飾られており、イスが4つ並んでいる。
年末年始などハイシーズンのピーク真っただ中でなければ宿泊客もそれほど多くないのだろう、自分が泊まっていた時にはいつもちょっと寂しげな雰囲気が漂っていた。
チェックインをしていると、ボーイがウエルカムドリンクを持って来てくれ、それを飲んでいる間にフロントスタッフがホテル内の設備などについてひと通り説明をしてくれる。
そして右手には天井まで続く石造りの重厚なオブジェのようなものがそびえ立っている。
何と暖炉だった!!
タイ国内でずいぶん色々なホテルにこれまで泊まってきたが、暖炉のあるところは初めてでちょっとびっくりしてしまった。
ここに実際に火が入れられるのは1年のうち何日くらいあるのかはわからないが、おそらく12月から2月の間などはかなり冷え込むのだろう。
暖炉など目にしたことがない普通のタイ人にとっては、これもひとつのアトラクションなのかもしれない。
しばらくするとボーイが部屋に案内をしてくれるのだが、仮に荷物が少なくても自力で行こうとしないほうがいい。
というのは、冒頭にも述べた通りこのホテルは小さな山をひとつ丸ごと使っており、客室はこのフロントのある建物から坂道を下った離れた場所にあるので、ボーイが電動カートで部屋まで送り届けてくれるのだ。
客室からフロントのある建物までは、夜でも街灯がついているので離れていなければ歩くことも可能だが、電話でこの電動カートを呼んで移動する、というのが基本になるだろう。
メーチャンを眼下に見下ろせる客室
ホテルは全部で53室あり、すべてが山の斜面に建つ独立した建物になっている。
といってもそれぞれの建物がまったくバラバラにあるわけではなく、2つから3つの建物が固まってあり、それぞれは2階建てで上下に客室がある、というのが基本的な構造だ。
今回はマウンテン・スイーツと呼ばれるグレードの部屋に宿泊したが、これよりも2つ上のグレードの部屋までは広さは10平方メートルしか違わず、マウンテン・スイーツでも90平方メートルあるので、4人以上で来て2ベッドルーム・スイーツ(275平方メートルもある)にでも泊まるのでなければこれで十分だろう。
道路でカートを降り、客室の建物の入口にかかる橋(下は山の急斜面になっている)を渡って部屋へと入ると正面は通路のようになっており、左側にドーンとベッドルームが見える。
ベッドの足元はオットマン付きのチェアとソファが置かれたリビングスペースになっており、テーブルの上にはウエルカムフルーツが置かれている。
その右の壁ぎわはテレビ、左側はライティングデスクになっている。
リビングスペースの先には中央に窓、両脇にガラス扉が作られており、後者から外に出ると広々としたテラスになっている。
このテラスの先はまったく何もない実に見晴らしのよい空間になっており、自分が泊まった部屋のテラスからは、近景は見渡す限りの木が生い茂ったジャングルのような小山、はるか遠くには夜になると黄色い街灯のついた国道1号線まで見渡すことができ、いつまで見ていてもあきることがなかった。
テラスにはダイニングテーブルとイス、さらにホテルのプールサイドによく置かれているようなビーチチェアまであるので、この景色を眺めながら食事や日光浴……などということも可能だ。
客室の入口正面の通路のような場所の右手には大きなクローゼットがしつられてあり、中にはセーフティーボックスや傘などがある。
クローゼット脇の扉の先はバスルームだ。
広さは20畳ほどはあるだろうか、正面にはドーンとジャグジーつきの大きなバスタブが置かれており、両脇2カ所が洗面台になっている。
もちろんお湯は勢いよくふんだんに出るので、のんびりとくつろぐことができる。
アメニティもひと通り揃っており、タイのホテルでは珍しく歯ブラシも備わっている。
世界最大のホテル予約サイトブッキングドットコムで予約する
日本円払いなら一番安いことも多いエクスペディアで価格を調べてみる
レストランのコスパはよくないかも
食事をとったりお酒を飲んだりできるバー・レストランは、フロントのある建物の階段を下りたところにある。
「ここが満席になることはあるのだろうか……」と思うくらいの広大なスペースにゆったりとテーブルが配置されている。
室内席のほか広いテラス席もあり、明るければ端の席からはところどころに山岳少数民族のものと思われる住居のあるドーイ・メーサロン方面の緑の山々の連なりが一望できるので、特に朝食をとるのであればぜひテラス席をお勧めしたい。
朝食は、宿泊客の多い時にはビュッフェ、そうでなければセットメニューとなる。
前者の場合は数種類のパン、サラダ、フルーツ、野菜ソテーなどの洋食のほかに、お粥や点心もある。
もちろん飲み物もコーヒー、紅茶、フルーツジュース、牛乳などが用意されている。
卵は好みのものをオーダーすると、ソーセージやベーコンを添えて持って来てくれる。
セットメニューは、アメリカン、コンチネンタル、アジアンからのチョイスとなり、フルーツジュース、フルーツ、ホットドリンク、パン、シリアル、卵料理(アメリカンの場合)いずれも選択が可能だ。
アジアンの場合はパン、シリアル、卵料理がなく、メインはカーオトム(米粒のあるお粥)、チョーク(米粒のないお粥)、カーオパット(炒飯)から選択する。
昼食・夕食は英語併記のメニューが用意されており、洋食とタイ料理がある。
前者は前菜からスープ、ステーキ、パスタ、ピッツア、パスタ、リゾットやラザーニャなどがメニューには載っている。
後者は北タイ料理のほか、ヤム(和え物)、トムヤムなどのスープ、ゲーン(タイカレー)、炒め物などがある。
洋食はステーキで400~700THB、パスタやピッツアが400THB~500THBとチェンマイ市内のレストランで食べるよりもかなり割高だ。
一方のタイ料理も、一品料理が250~400THBくらい、目玉焼きの乗ったカーオパット(炒飯)やカーオソーイ(ミャンマー風カレーラーメン)でも200THBを越えており、やはり割高に感じられる。
山を下りなければほかに食事をできる場所がなく、また高級リゾートホテルであるということを割り引いても高い。
これで、味がすばらしくよいのであれば何となく納得もするのだが、自分はここで夕食にタイ料理と西洋料理の両方を食べてみても、どちらも「おいしい!」と言うことができなかった。
決してまずくて食べられない、とは思わないが、残念ながら正直言って味は平均以下と点数をつけざるを得ない。
自分はあらかじめレストランの評判があまりよくないという話をお友達から聞いていたので、チェンマイからワインやチーズ、パン、カップ麺などを持参していたのだが、滞在中の食事をすべてこのレストランでとることになったら結構厳しかったかもしれない。
レストランの味はコックが変わるなどで改善される可能性があるので断言することは不可能なのだが、もしこのホテルに泊まるのであれば、あらかじめ街で食料を少し持参したほうがいいかもしれない。
ただし、客室にあるのは冷蔵庫と電気ケトルだけで、電子レンジはない。
レストランがよくなれば……
メーチャンは普通の旅行客にはあまり知られていないエリアだが、チェンラーイ、ドーイ・メーサロン、チェンセーン、メーサーイなどの街までいずれも自動車で1時間程度と観光の拠点とするには絶好の位置にある。
しかも、このホテルはメーチャンの街からわずか15分ほどとは思えないくらい隔離された山の中のすばらしい雰囲気の中に建つ高級感あふれるリゾートだ。
温水プールやスパなどもあるので外に一歩も出ずに終日ホテル内で過ごす、というような楽しみ方も可能で、白人ツーリストは実際そのように過ごす人も多い。
レストランの料理の味さえよくなれば、完璧といってもよいくらいの絵にかいたようなタイ北部の山岳リゾートと呼ぶことができるだろう。
世界最大のホテル予約サイトブッキングドットコムで予約する
日本円払いなら一番安いことも多いエクスペディアで価格を調べてみる
コメント