オークパンサー(出安居)の日のタムブン(徳積行)で、まずは市内やや北部のラタナコーシン通り沿いにあるワット(寺)パーペーンを訪れた。
一緒にタムブン(徳積行)をした友人一家はこの後用事があるということですぐに別れ、自分はバイクにまたがって寺院をあとにする。
次に向かったのは、市内中心部のお濠の北辺外側のマニーノパラト通り沿いにあるタイヤイ(シャン族)寺院のワット(寺)パーパオだ。
こちらは、カオパンサー(入安居)、アーサーラハブーチャ(三宝節)など大きな仏事のある時には必ず出かける、自分のお気に入りの寺院である。
ワットパーペーンからだと、寺院の裏口近くにバイクを止め(周囲の家が庭を開放して臨時駐車場を営業している)寺院に入ることになるのだが、すでに周辺は多くの人でにぎわっている。
今回は正面のマニーノパラト通りには行かなかったのだが、おそらく例年のように道路は渋滞を引き起こすほど車やバイクが出ていることだろう。
寺の中に入ると、少し傾いて崩れかけた楼門が出迎えてくれる。
寺院の中に入って、少し高いところから正面入口方向を見てみた。
いやはや、ものすごい人出だ。
先ほど訪れたワットパーペーンもそこそこにぎわっていたのだが、ぜんぜんケタが違う。
民族衣装を身にまとった老若男女のタイヤイが寺院内を行きかう。
ワットパーペーンの記事でも書いた通り、ここに来た最大の目的はタイヤイ(シャン族)料理を食べることなのだが、そうは言ってもやはりご本尊くらいは拝みたいので、本堂に向かって歩き出した。
途中の境内に、タイヤイ(シャン族)スタイルの急造のミニチュア寺院があった。
おそらく、本堂の中はすごい人なのだろう、そこまでたどり着けず(最初から行くのをあきらめて)ここにお参りして済ませる人もいるのではないだろうか。
オークパンサー(出安居)をはじめさまざまな仏事の日には、ソンテオなどをチャーターして近隣の県からもわざわざタムブン(徳積行)に来るタイヤイ(シャン族)が大勢いるのだが、ここで済ませちゃったら来たかいがないよなあ……
とにかく、自分は本堂へ進む。
ちなみに、今年7月のアーサーラハブーチャー(三宝節)の時の様子はこちら。
本堂の手前にホールのような場所があるのだが、すでにそこが人でいっぱいだ(タイトル下の写真)。
場所がわからなくならない、あるいは盗まれたりしなさそうな場所を選んでサンダルを脱ぎ、いよいよ本堂内へと向かう。
やはり人は多かったが、アーサーラハブーチャー(三宝節)の時に比べれば余裕があった。
タイヤイ顔(?)のご本尊も拝むことができた(^^)
お参りが終わったら、いよいよメインの目的のタイヤイ(シャン族)料理の食事だ。
店は本堂の周囲に何軒も出ているので、まずはざっと1周してから店を決めることにする。
食べ物屋以外にも店はたくさん出ている。
タイヤイ(シャン族)の民族衣装を売る店。
1着1,000THB(約3,500JPY)以上するので、出稼ぎでチェンマイに来ているケースが多い彼らにとっては大きな出費だ。
タイヤイ(シャン族)の音楽CD、DVDや本の店。
ミャンマーに住むタイヤイ(シャン族)は現地の多数派ビルマ族による同化政策が進められているせいで、文字はミャンマー文字が使われている。
それでも、つい20年くらい前まではタイヤイ(シャン族)というと文盲の人が珍しくなかったことを考えると、大きな進歩だが。
売店で一番多いのは、食品を扱う店だ。
唐辛子まみれのパッカードーン(発酵した高菜)を売る店。
これはもともとは雲南のものらしいのだが、タイヤイ料理を食べても必ず付け合わせとして出てくる。
塩漬けの小魚(左)と豆腐を唐辛子まみれにしたもの。
魚は水で洗って塩気を抜き、油で揚げて食べる。
唐辛子まみれの豆腐は料理に入れたりするが、保存食のため水分がほとんどなく豆腐というよりはチーズのような食感だ。
こんにゃくも売られている。
見るたびに「一度買ってみたいな~」と思うのだが、家で調理するのが面倒なので、いまだに食べたことがない。
ゲリラ的に天秤をかついで物を売っている人もいる。
人が多く集まるところ、物乞いもいる。
とりあえず、人が多く入っていて清潔そうな店を見つけて食事をすることにした。
もちろん、メニューなどというものはない。
タイヤイ(シャン族)料理は普通のタイ料理はもちろん、チェンマイ料理とも大きく異なるのでなかなかハードルが高いのだが、幸い自分はいろいろな料理を食べて名前を知っているのでオーダーは難しくない。
まずは、カーオフン・ウン。
写真では見えないが、下にセンレク(米細麺)とウンセン(春雨)の中間のような麺が敷いてあり、その上からたぶん大豆でできたのだと思う、ドロッとしたというかビヨーンと伸びる黄色いペーストのようなものを乗せ、さらにビルマ(ミャンマー)醤油をベースにしたタレをかけ回したものだ。
醤油ベースだが日本のものとは違いあまりしょっぱくはないので、比較的あっさりした感じ。
上に散らされた揚げニンニクとゴマがいいアクセントになっているが、普通はここにカーオソーイにも入れる唐辛子ペーストや砂糖を混ぜるので、ほかのタイの麺と同様重層的な味となる。
自分は、砂糖は入れないけどね。
普段なかなか食べられないので、さらにもう一品。
「ミールアム」と呼ばれる料理だ。
汁なしのチャーシュー麺で、別途薄味のスープがついてくる。
また、麺の上にはこれまたカーオソーイのように揚げた麺が乗せられている。
カーオフンウンよりも、こちらのほうが日本人には食べやすいかも。
お腹もいっぱいになり、これで今年のオークパンサー(出安居)も自分にとっては終了である。
まだ午前9時過ぎとはいえ、これだけ食べてしまうともう昼はもちろん夜もあまり食べられないだろうということで、途中で夜用のフルーツを買って自宅へと戻ったのだった。
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