暮らすように泊まれるサービスアパート
チェンマイで泊まるというとナイトバザール周辺やお濠の中の旧市街、ニマーンヘミンあたりが真っ先に候補に挙がるだろうが、どこも基本的にはツーリストエリアにあるホテルになるのでどことなくざわついていて、2~3泊ならともかく半月以上とか滞在するのには正直あまり向いていない。
そんな時に重宝するのが、客室内の設備はソファやキッチンがついていてコンドミニアムだが清掃やリネン交換、朝食などのサービスはホテル同様に受けられる、こちらで「サービスアパート」と呼ばれている宿泊施設だ。
そんなサービスアパートのひとつである「ザグランドナパットホテル&サービスアパートメント」で今回夫婦で3週間ほど過ごしたので、その感想などを写真とともに紹介する。
自分たちはチェンマイ市内に自宅があり今回は諸事情でたまたまここを選んで泊ったのだが、思ったよりもずっと快適で生活感も出てまさに「暮らすように泊まる」ことができ、チェンマイでショートステイもしくはシーズンステイを考えている人には特におすすめだと思う。
フロントに聞いたところ、長期滞在している日本人シニアもいるそうだ。
スーパーや市場は徒歩圏内、お濠へも散歩がてら歩ける
「ザ・グランドナパット・ホテル&サービスアパートメント」は、チェンマイ市内やや北東にある。
住所:70/1 Muen Dam Pra Kot Rd. T.Chang Phuk A.Muang
TEL:053-231777
WEBSITE:https://www.thegrandnapat.com/
お濠の北東角にあたるシープーム堡塁からアサダートン通りを1kmほど北上し、信号を左折して150mほど行った左手、7-11の脇に入口がある。

お濠の中の旧市街のメインの見どころである寺院までは徒歩で30~40分だろうか。
アサダートン通りは交通量が多く殺風景だが、裏道を行けばちょうどいい散歩になりそうな距離だ。
また、市内きってのにぎわいで周辺に日本人ステイヤーも多いタニン市場へも15分ほど、大型スーパーマーケットのロータスも10分、土日に開催される旅行者にも大人気のオシャレな定期市JJマーケットは5分足らずとすべて徒歩でアクセス可能だ。
ホテルのすぐ西にはラーチャパット大学がありこの一帯には学生が住むアパートが多いことから値段が安めの食堂やレストラン、カフェもたくさんあって遠くまで食事に出たくない時なども困ることがない。
さらに、アサダートン通りの十字路付近は夜になると地元の人が集まる飲み屋街になり夜遅くまで大変にぎわっている。
地図とかで見るよりも、ずっと便利なロケーションだと言ってもいいだろう。
広大な敷地に建ち、駐車場も広い
ホテルの敷地はざっくり見立てた感じでも優に3,000坪は超えるだろう広さで、それを3つの施設で共有している。
昼間は警備員がいる入口から敷地内に入ると、まず左手にタイ人向けの一般的アパート「バーンナパット・マンション」があり、建物と駐車場とにはさまれたアプローチを先に進む。
するとその先に広々としたスペースがあり、左手奥に中級ホテルの「ナパトラホテル」と駐車場、右側すぐのところにチェンマイではまだ珍しい自動のマシンを備えた洗車屋がある。
今まで世界各地で色々なホテルに泊まったが、敷地の中に本格的な洗車屋があるというのは初めてだ。
「ザ・グランドナパット・ホテル&サービスアパートメント」は突き当りを右折して洗車屋を右に見ながら進んだ先だ。
やはり手前に広い一部屋根つきの駐車場があり、その先に建物が見える。

6階建てで割とこじんまりとした建物だ。
入るとすぐ正面にフロントがある。

すぐ脇には広々としたホールがあり、ここだけ見ていると普通のホテルと何ら変わりない。

フロントの脇を通ったところに客室に行くためのエレベーターがあるが、そのまままっすぐ進むとプールがある。

本格的に泳ぐには小さいが、チェアに横たわってノンビリくつろいだりちょっと水に入ったりする程度なら十分だろう。
そのプールの先には、ジムが造られている。

マシンはそれほど充実しているわけでないがストレッチなどができるオープンスペースもあるし、トレッドミルではプール方向を眺めながら気持ちよく走ることができる。
リビングとベッドルームが分かれ、テラスでくつろげる
「ザ・グランドナパット・ホテル&サービスアパートメント」は全部で60室を有している。
ホテルのサイトによれば客室はスタジオ、グランドスタジオ、1ベッドルームスーペリア、ファミリーデラックス、2ベッドルームスイート、3ベッドルームファミリースイートに分かれているが、今回は1ベッドルームスーペリアに滞在した。
名前の通り、ベッドルームが独立しているコンドミニアムタイプの部屋だ。
ドアを開けて中に入ると、リビングルームが広がっている。

ここだけ見ると、ホテルという感じではない。
が、部屋の清掃、ベッドメイクやタオル類の交換は毎日入るし後述の通り朝食もとれるのでサービスはホテルと何ら変わりない。
食事をしたりデスクワークをしたりするには十分な大きさのダイニングテーブルと、2人が楽々くつろぐことのできるソファにテーブルが置かれている。


ソファの向かいにはいくらでもモノが置けそうなボードとDVDデッキつきのテレビ。

ダイニングテーブルの脇にはキッチンがある。

シンクのほかに電気コンロ、電子レンジ、冷蔵庫に食器が備えられている。
コンロはあるが鍋や包丁、まな板などの調理器具はなく、食器は皿とボウル、スプーンフォークだけでこれだけで食事を作ったり外から買って来たおかずで食事をとったりするのは厳しい。
自分たち夫婦は自宅から足りない食器を追加で持参し、コンロは結局使わなかったがたぶんフロントに言うと貸し出しがあるのではないかと思う(未確認)。
なお、インスタントコーヒーや紅茶と飲料水は毎日補充してくれる。
リビングルームの奥はベッドルームだ。

12畳くらいの広さはあるだろうか、ダブルベッドにライティングデスクほか写真に写っていないものとしてはテレビとローチェストが置かれており、こちらも収納スペースは十分だ。
2方向に窓があり、そのうちのひとつはテラスに通じている。

テラスにはイスとタオルハンガーが置かれており、壁にはくくりつけの灰皿もあるのでたぶん喫煙も可能だ。
ホテル自体が広大な敷地を有しており、またすぐ近くには背の高い建物がないので、自分たちが泊った部屋のテラスからはドーイ(山)ステープ山系がとてもきれいに見えた。

バスルームは、タイのコンドミニアムによくあるスタイルでベッドルームとリビングルームどちらからでも出入りできるようになっている。
ベッドルームからは、ウォークインクローゼットを通って行く。

中にはセーフティーボックスのついた洋服収納棚のほか、ドレッサーもあって広々している。

バスルームはこのクラスとしては普通な感じだ。

アメニティもごく一般的なものが置かれているが、チェンマイ(タイ)のホテルではまだ少ない歯みがきセットも用意されている。

なお、歯みがきセットは3週間ほどの滞在でも追加などはなかった(言えばもらえるかも)ので自分たちのようにある程度の期間宿泊するのであればホテルの敷地を出たところにある7-11などで追加購入が必要だ。
なお、部屋に洗濯機はない。
自分はホテル前の道に出て左折してすぐのところにある「Otteri」という当地ではメジャーなコインランドリーを使った。
タイでこのようなリビングルームとベッドルームがセパレートされたホテル兼サービスアパートは何回も利用したことがあるが、特に1週間以上とかある程度長く泊る場合には毎日毎日外出ばかりというのも疲れて来るし、タラート(市場)や食堂などで簡単におかずや炊いたご飯までお持ち帰りできるこの国ではそれを部屋で食べるというのもまた外食とは違った楽しみがある。
また、ベッドルームが別だと例えば一緒に泊まる人が昼寝をするなどという場合にも気兼ねする必要ががないし、眠らないまでもテラスに出れば外の空気を思う存分吸いながら本を読んだりビールを飲んだりできるのもこの手のサービスアパート式のホテルに泊まるメリットのひとつだろう。
ホテルと変わらない朝食はプールサイドで
上記の通り客室は暮らすように泊まれるコンドミニアムスタイルになっているが、一方でここは普通のホテルとしても営業しているので朝食付きのプランを選択すれば朝は毎日レストランで食べることができる。
レストランは1階にあり、屋内席と屋外席がある。
屋外席は目の前がプールで広々としており気持ちがいい。

朝食のメインはメニューからオーダーするようになっているが、それ以外は屋内席に並べられている。
料理は西洋料理、タイ料理が用意されており日替わりでメニューが変わるのですぐに飽きるということはないと思う。



フルーツとサラダもあるので、それだけ食べてもいいかも。

メインは5種類くらいのチョイスとなっていて、卵料理のほかカーオトム(お粥)を選ぶことができる。
変わったところでは、カイカタ(ベトナム式目玉焼き)もあって楽しい。

卵料理は付け合わせも別途リクエストできるので、かなりのバリエーションがあって1週間くらいなら連続して食べてもぜんぜん問題ないと思う。


ショートステイやシーズンステイの宿泊は快適さを一番に
このように、ここはサービスアパートメントと言っても部屋の造り以外はほぼ完全にホテルなので、実際見ているとホテルとまったく同じように宿泊している人も多い。
だが、せっかくキッチンやソファセットがついた部屋なのであれば、少し長い期間普通に生活するようなスタイルで滞在するのがいいと思う。
例えば、2~3か月程度のショートステイやシーズンステイの人にとっては、いわゆる民泊は値段は安いけど掃除などの家事を自分たちでやらなければならず、せっかくのチェンマイ暮らしの楽しい時間がそれに削られるというのはもったいないだろう。
それなら少し高いお金を払ってでも快適に滞在できるほうがいいな、というような方には特におすすめできる。
タラート(市場)もスーパーも徒歩圏内で、周囲にもタイ人向けの店舗がたくさんあるので環境的にもまさに「暮らすように泊まる」ことができるのではないだろうか。
コメント