11か月日本で足止め、ようやく帰チェンの途へ
「プロフィール」でも記している通り、自分は2013年からリタイヤメントビザを取得してチェンマイで暮らしていた。
2020年2月末に家庭の都合で2週間のつもりで日本に一時帰国したのだが、すでに拡大し始めていた新型コロナウイルスの影響で用事がはかどらず、もたもたしているうちにタイが鎖国、9月にはビザも失効してしまいチェンマイに戻ることができなくなってしまった。
しかし、その後徐々にタイも入国をオープンにし始めたので12月に新たに日本でビザを取得、その後実際に渡航するための手続きを経て年が変わった2021年の1月末に再びタイに入国することができた。
タイに戻るための諸手続きはもちろん初めてのことばかりで、例えば企業駐在員やそのご家族のように何らかのサポートがあるわけでもなくひとつひとつ半ば手探り状態で進めていったのだが、その過程で新たな発見があったりさまざまなサイトから有用な情報を得たりということがあったので、それらを記録に残しておこうと思う。
コロナ禍で状況は日々刻々と変化しており、今日の自分に適用されたことが明日はNGということもありえるし、自分の勘違いや「そんなの知ってるよ」「もっといい方法があるよ」みたいなこともあるかもしれないが、どなたかのお役に立てれば幸甚だ。
入国までのプロセスと必要な手続き・書類
ビザを取得した後のタイに入国するためのプロセスや必要なものは、在東京タイ王国大使館のサイトに記載されており、この記事作成時点では「タイ国籍を有しない者のタイ王国入国(新規システム)」のページにまとめられている。
ここがすべてのベースになる。
このページは適時更新されるのだが、トップページに記載されている日付は初めてアップされた時のままで変わらないので、そこだけ見ていても中身が変わった(更新された)ことに気づくことができない。
なので、渡航までの間は毎日必ずページの中を見て、前日との変更点がないかをチェックするようにした方がいい。
自分の経験では、出国前に「ThailandPlus」というアプリを入れて登録しなければならなくなったのだが、ページの中を常にチェックしていなければ追加記載されていたのに気づけなかった。
今回の自分のタイ入国では、以下のプロセスを取る必要があった。
2.入国許可証(COE)正式承認申請(下記6.と7.が必要)→入国許可証(COE)発給(この書面が下記2.にあたる)
3.搭乗可能健康証明書(下記3.)と新型コロナウイルス非感染証明書(下記4.)取得
4.スマホなどの機器に「ThailandPlus」アプリをインストール&登録(入国許可証(COE)事前承認申請で発行された「Referece ID」と正式発給された入国許可証(COE)に記載されている「COE Code」が必要)
5.下記1~8すべてを提示して空港での搭乗手続き
そのプロセスで必要となった書類・手続きは
2.入国許可証(COE)
3.英文の搭乗可能健康証明書(Fit to Fly or Fit to Travel Health Certificate)
4.渡航前72時間以内に発行された英文のRT-PCR検査による新型コロナウイルス非感染証明書
5 新型コロナウイルス感染症及び関連疾患の治療費を含む10万米ドル以上の治療補償額の英文医療保険証
6.航空券(e-ticket)
7.隔離措置施設(ASQ)予約確認書
8.記入済みのT.8フォーム(健康質問票)
9.スマホなどの機器への「ThailandPlus」アプリのインストール&登録
となる。
上記の通り、プロセス1.と2.の入国許可証(COE)取得では、事前承認申請のために「ビザ」と「医療保険」のデータが(後者は後日でも可)、正式承認申請にあたっては「航空券」と「ASQ(隔離措置施設)予約確認書」が必要となる。
だが通常、医療保険はバンコク行きのフライト(=保険開始日)決定後に加入するだろうし、フライトが決まれば隔離措置施設(ASQ)も予約できる(しなければならない)ので、結局は3つ(医療保険加入・フライト予約・隔離措置施設(ASQ)予約)を並行して進めてしまうのが楽だと思う。
入国許可証(COE)が事前承認されてから正式承認までの手続きは15日以内に終わらせなければならないので、意外に時間はない。
以下、この中で3~7について選択肢を検討し決定する上での自分の経験や役に立ったサイトなどを紹介する。
新型コロナウイルス対応医療保険
参考サイト(1):Thai General Insurance Association
参考サイト(2):Locanation
これらのサイトで紹介されている保険は、いずれもこの時期タイに入国する人のためにアレンジされたもので補償期間や加入者の年齢にもよるが、保険料は安く感じる。
言い換えれば、入国許可証(COE)を取得するという目的に特化した保険とも言えるだろう。
しかしながら、(1)も(2)も補償は新型コロナウイルス感染症と関連する疾患の治療費のみ。
個人的には、タイでの特に長期滞在では新型コロナウイルス関連疾患より交通事故やデング熱、食中毒のほうがよっぽど高リスクだと思うので、(1)(2)に加入したとしてもさらにコロナ関連疾患以外をカバーする別の保険は必須だ。
クレジットカードなどに付帯する保険で十分足りると考えるならそれもいいだろうが、トータルでの補償の手厚さや加入の手間など諸々を考えると、日本で入国許可証(COE)の取得要件を満たす長期の海外旅行保険加入もアリだと思う。
参考サイト(3):株式会社セーブユー
これに限ったことではないが、保険商品は単純に値段だけで決めないほうが絶対にいい。
いざ保険のお世話になる段になって「思ってたのと違ってた~」じゃシャレにならないからね。
隔離措置施設(ASQ)の決定と予約
現在、隔離措置施設はバンコク市内だとASQ、パタヤやチョンブリーなどバンコク以外だとALQと呼ばれており、前者には120カ所以上が登録されている。
値段や設備などもまちまちだが、おおむね安いところは大変人気があり軒並み満室で予約できない、などということも多いようだ。
なので、特に安い施設を希望する場合は時間的な余裕を持って空室確認・予約をしたほうがいいかもしれない。
また、隔離措置施設(ASQ)からは事前に医療保険証書と新型コロナウイルス非感染証明書を送付するよう要求があるが、これはタイ国保健省からの定めによるものらしく送付を忘れると最悪予約を取り消されるらしいので注意しよう(予約を入れた時の返信メールに記載されている)。
【追加情報】
2021年3月、タイ政府インフォメーションセンターは、隔離措置施設(ASQ)の検索・予約サイト「Entry Thailand」を新たに開設した。
参考サイト(1):Thailand ASQ Hotels
隔離措置施設(ASQ)を決める時、自分が一番役に立ったFaceBookのフォーラム。
ASQに特化されていて情報量がダントツに多いし内容も濃いので、施設を選択する際には絶対に見たほうがいいと思う。
「テラスがあるというので予約したけど、初回のPCR検査で陰性になるまで出れなかった」といったリアルな情報、とりわけ食事の写真が非常に役に立った。
事実上の監禁になる15泊16日の最大の楽しみは食事になると思うので特に注目して見ていたけど、おしなべて4万THB以下の安い隔離措置施設(ASQ)は自分にはかなり厳しい印象。
またいくら安くても、窓がない部屋は論外として「窓を開けたら目の前が隣のビルの壁だった」なんていうのも絶対にいやだし。
誰でも参加可能なので特にコメントはいい加減というか茶化すものも多いが、中には隔離期間中のPCR検査で陽性となり病院に移送されたが、無症状のため保険会社から支払い拒否され80万THB(!)請求された、などという人の詳細なレポートもあったりする(真偽不明)。
参考サイト(2):THAIest
実際に隔離措置施設(ASQ)の絞り込みから予約にあたって自分が一番よく使ったのはここ。
登録全施設が網羅されており、予算・設備などで簡単な絞り込みも可能。
(1)のフォーラムと連動しており、実際に隔離措置で泊まった人の感想などの簡単な抜粋もある。
直接の予約はできず基本的には掲載のメールアドレスから問い合わせる形になるが、一部ホテルのページは問い合わせフォームを備えておりそこから空室確認や質問をすることが可能。
自分は、(1)のフォーラムをつらつら眺めつつこのサイトで候補を5~6か所に絞り込んで設備やサービスについて直接質問したり空室確認をしたりして最終的に予約を入れた。
参考サイト(3):Ministry Of Public Health
上の方にある「ASQ」のバナーをクリックすると、登録全施設のリストが出てくる。
そこから施設名をクリックすると共通フォーマットの案内がある。
検索機能がなく使いにくいので、候補を絞り込んでからのチェックがいいかも。
日本語の案内があったり(日本人スタッフ常駐?)、日本食やヴィ―ガン向けの食事が充実している、隔離中使えるSIMカードを無料でくれる、部屋にヨガマットやトレッドミルがあるなど、読み込んでいくと色々な情報が得られる。
参考サイト(4):Locanation
滞在予定日、予算、部屋面積、設備(バルコニー、電子レンジ……)で絞り込み→予約可能。
情報量は多くないが、デポジットが明記(理由に関わらず返金不可の施設が多い)されているのもよい。
ただし、すべてのホテルが網羅されてるわけではなさそうで、ここでの絞り込みで出て来なかった施設でも直接コンタクトすれば空き室があるケースもあった。
参考サイト(5):agoda≪日本語≫
使い慣れてる人には楽だろうしキャンセル料無料の施設も多いが、登録されているところが少なすぎてここだけで選ぶのはちょっと厳しい。
上に紹介した(2)や(3)であらかじめ絞り込んだ候補がここにあればラッキー、くらいに思ったほうがいいのではないだろうか。
参考サイト(6):HISタイランド≪日本語≫
手数料1,000THBまたは3,000THB。
やはり取り扱いが少なすぎて……
参考サイト(7):JHC≪日本語≫
日本のホテル卸がメインの老舗旅行会社。
選択肢は多いが、情報がまったくなく施設名をクリックするといきなり問い合わせフォームが開かれる。
参考サイト(8):ブルーアシスタンス株式会社≪日本語≫
バンコクの医療アシスタンス、ビジネスサポート企業。
手数料3,000THBで日本での円払いも可。
PDFのリストがあるだけだが、たぶん全施設を取り扱っている。
フライトの予約
現在、日本とタイの間にはNH、JL、TG、ZGが運航しており、2月からは便数も大幅に増加した。
平時と同じように各社のサイトに行けばフライトの検索・予約が可能だが、在東京タイ王国大使館のサイトにカレンダースタイルのフライトスケジュールが掲載されているので、それを見ると自分の出発希望日にどのキャリアが飛んでいるか一目で確認できて便利だ。
料金で見れば、自分が渡航した1月末の時点では
ZGの普通席<<<<<<<TGのY<<ZGのフルフラット<<<<<<TGのC<<<<<<<NHのY<<JLのY
という印象。
2020年2月に日本に戻って来た時に自分はタイで購入したNHの返金不可格安Cを利用していたのだが、コロナ禍でフライトがなくなり復路をキャンセルしたところきっちり半額を戻してくれて大変ありがたかったのでタイに戻る時もそれを利用したかったのだが、NHのCは販売されていなかった。
もしかしたら、コーポレート専用とかでオープンにしていないのかもしれない。
なので、今回はZGのフルフラットを利用した。
搭乗可能健康証明書と新型コロナウイルス非感染証明書の取得
タイに渡航する前の最後のプロセスが、「搭乗可能健康証明書」と「新型コロナウイルス非感染証明書」の取得だ。
この2つの書面はPCR検査を受けた医療機関から発行されるもので、セットだと考えていい。
タイに渡航するためのPCR検査と証明書については、こちらのサイトが参考になる(実際の検査と証明書発行もできる)。
参考サイト(1):クリニックフォア
在東京タイ王国大使館のサイトには、「渡航72時間前に発行されたRT-PCR検査による新型コロナウイルス(COVIT-19)非感染証明書」と記載されている。
ここで注意すべきは「渡航72時間前」と「RT-PCR検査」の2点だ。
多くの医療機関では早くても朝検査して夕方以降、もしくは翌日の証明書発行となっているため、時間を逆算して予約を入れる必要がある。
また、自分は専門家ではないので詳しくはわからないが「RT(Real Time)ではない」PCR検査というのもあるようで、そちらの方法で検査を受けた結果空港でチェックインを拒否されたという人の書き込みを上記のFaceBookフォーラムで複数見かけたので、こちらも注意が必要だ。
自分が搭乗したZGも成田空港のチェックインの際、書類を2人で「RT-PCR Negative」と声に出して確認していた。
いずれにしても、時間的な余裕がないので他の手続きのように「失敗したらやり直せばいいや」というわけにはいかないため、細心の注意を払って予約・検査・書面の受領を行うようにしたほうがいいだろう。
RT-PCR検査が受けられる医療機関は、在東京タイ王国大使館のサイトに掲載されている。
参考サイト(2):在東京タイ王国大使館
PDFファイル(1)
が、これはあくまでも「参考資料」であり、大使館がここに掲載されている医療機関を推奨しているわけではない。
このほか、以下の2サイトでは検索(後者は予約も)可能だ。
参考サイト(3):新型コロナ×海外旅行・海外出張情報サイト
参考サイト(4):経済産業省TeCOT(海外渡航者新型コロナウイルス検査センター)
いずれにしても、事前にタイに渡航するための2種類の証明書を過去に作成したことがあるか、
検査から証明書の発行までどのくらいの時間が必要か、検査法は間違いなくRT(Real Time)かなどを十分確認してから予約を入れるべきだろう。
コメント
タイへの帰国、大変でしたね。私はタイで日本へ一時帰国できる日をひたすら待っております。タイ入国の際の医療保険については、私には分からないことが多いです。
ビザを新規取得されたなら、ノンイミグラント-O-A (ロングステイ)か、ノンイミグラント-O(年金/リタイア)か、ノンイミグラント- O(配偶者/扶養家族)なのでしょうね。在京タイ大使館のHPを見ると、ノンイミグラント- O(配偶者/扶養家族)取得時には、医療保険が必要ありませんが、他の2つのビザではビザに必要な条件に加えて、「新型コロナウイルス感染症及び関連疾患の治療費を含む10万米ドル以上もしくは1,100万円以上の治療補償額があること」となっています。ビザの条件(外来40,000B以上、入院400,000B以上)に加えて10万米ドルのコロナ保険が付帯した都合のよい保険などあるのでしょうか?
宜しければ、実際どのような保険に加入されのかお教えいただけないでしょうか。
水蓮さん、コメントありがとうございます。
今回は、東京海上日動保険に加入しました。
日本で調べてみたら、コロナ禍でタイに入国・長期滞在するためにプランされた保険商品が何社かから出ているようです。
Ganeshさん、有難うございます。そうですか日本の保険会社を使用されたのですか。それなりに費用はかかりそうですね。いずれにしても、ワクチンパスポートでも認められて、日本でもタイでも自己隔離が無くならないと私の一時帰国は無理でしょう。年末か、来年か、まだ先は長そうです。
とにかく、日本もタイも入国のための手続きその他イレギュラー(=お金がかかる)なことが多すぎて……
本当、おっしゃる通りワクチンパスポートでも何でもいいので、自由に行き来できる日が早く戻ってきてほしいですよね。
ワクチン接種のために今年1月に帰国し、ロングステイビザO-Aの更新の為に今月の9月末にタイに戻ります。タイ入国のため在京タイ大使館にCOE申請して、やっと承認が取れました。COE申請の必要書類に保険証書添付があります。コロナ保険は、The General Insurance Association(タイの保険会社の協同機構)から「COVID-19」が発売されておりネットで購入できますが、私は加盟保険会社のDHIPAYA経由で加入しました。外国人医療保険はVIRIYAH社のHealth Insurance for a Long Visaに加入しました。保険証書はタイ語・英語での記載が必須で、日本語の保険証書は不可なので日本の保険会社はお勧めしません。なお、COEが承認される最長滞在期間は、この2つの保険の有効期限までしか認められませんでした。「滞在中に保険を更新する予定です」と反論しましたが却下されました。また、外国人医療保険では、保険会社がタイ政府の記録システムに登録していないと有効な保険と認められませんので、念のために保険会社には加入時にシステム登録を要請しておいた方がいいと思います。COE申請でその他に必要書類には、「ワクチン二回接種済みの証明書」と、ASQホテルの予約票に全額支払い済みの「領収書」と「空港出迎え自動車の予約票」の添付を要求されました。COEには十分に余裕をもって1か月前から必要書類を準備しておく方が良いと思います。
ทามุระさん、アップデイト情報ありがとうございます。
条件などは刻々と変わっていますので、常に最新情報を確認する必要がありますよね。
私も6月に日本に戻っていますが、年末年始くらいまでにはまたチェンマイに戻りたいと思っています。その頃には条件が緩和されているといいのですが。