日曜日は、自宅の近くにあるおかず屋やタラート(市場)の中のお気に入りの店が軒並みお休みになってしまうので、いつも食事には頭を悩ませる。
ランチはスーパーなどのフードコートに行ったり、たまに「新規開拓」と称してバイクや車で少し遠くにドライブがてら出かけて適当な店で済ませる。
夜は基本的に家の外には出ず、日本のインスタントラーメンやソースを使ったパスタに買い置きの野菜で作ったサラダ、なんていうパターンが多い。
普段はタイ料理ばかりの食事なので少し目先を変えたい、というのもあるが、それ以上に以前日本から持って来たインスタントやレトルトの食品のストックが大量に余っていて、賞味期限はとっくに切れているので何とかそれを処分したい、という義務感(?)のようなものが先に立っている感じが強い(苦笑)
が、そんな普段の日曜日の食事が大きく変わる時がある。
それは、朝に市内北部のJJマーケットで開催される安全食品市に出かけた時だ。
安全食品市の名が示す通り、オーガニック系、もしくはきちんと安全管理されたもとで農薬を使用している米や野菜に果物、パンなどが売られており、自分も目的はそれらを手に入れることなのだが、市の中にはおかず屋も何軒か出ている。
こういうコンセプトの市なので、どの店も味付けが薄めで身体にやさしい感じがして、同じタイ料理でも普段食べているものとはずいぶん印象が違ったりして、それがまた楽しい。

なので、出かけた際にはたいていそれらを買って来て、ブランチ(いつもだいたい市場に行くのは8時半前後で、のんびり買い物をしてから家に戻って来ると10時半くらいになっていることが多いので)にする。
この日も、安全食品市で調達したものが食卓に並んだ

サイヤーン(豚の腸焼き)

左上の1個だけ太く見えるものは、お店のおばさんがおまけで入れてくれたサイウア(チェンマイソーセージ)だ。
しかし、この豚の腸とか、本当に安全(に肥育された豚の腸)なのか、個人的には少々疑問が残るのだが……
ジャックフルーツと青豆のレッドカレー

ほかにもいろいろと野菜が入っている。
これを買った店はチェー(齋=ベジタリアン)だったので、肉類は一切使っていない。
ホーモック・プラー(魚肉のタイ風茶碗蒸し)

日本語にすると茶碗蒸しが一番近い気がするのでそう書いたが、実際には茶碗ではなくバナナの葉で作った器が使われている。
主食はカーオヌン・ダム(黒もち米)


一般的にもち米のことはカーオニヨウと呼ぶが、チェンマイのローカルな人々は「カーオヌン」と呼ぶ。
メーホンソーンから来たというおばあさんが売るこのカーオヌン・ダムはまず米自体がいいのと蒸し方も上手で柔らかすぎず固すぎず、絶妙の食感だ。
そして、それを昔ながらのバナナの葉にくるんでくれる、というのもいい。
今では、もち米を買うとどの店でも普通はビニール袋に入れてくれるのだが、それだと蒸気が外に抜けず、少し時間がたっただけで袋の中にできた水滴が米をベチャベチャにしてしまう。
ところが、この店のようにバナナの葉でくるんでくれると保温性がある上に適度に湿気が抜けるので、ベチャッとしてしまうことがなく時間がたってもおいしいのだ。
もち米をバナナの葉3枚くらいを使ってひとつひとつ手で包んでいくので、お客さんが多い時など待たされることもあるのだが、それがまったく苦にならないほどの出来ばえだ。
これひとつで10THB(約34JPY)と普通の街なかの市場で売られているものの倍以上するのだが、それだけの価値があると思う。
もち米は腹もちがよいこともあって、ブランチでこれだけしっかり食べてしまうと夜になってもあまりお腹が空かない。
この日の夕食は、市場で一緒に買って来た野菜でスープを作って、それを飲んで終わりだった。
コメント